共テ数学ⅡBC 第7回【第3問】面積比は 1/a の3次関数、接線との差は (x−1) の累乗で比べる ― 図形と方程式・微分法・積分法

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

面積の比 \(\dfrac{S}{T}\) は、\(\dfrac1a=t\) とおくと \(t\) の3次関数になります。 曲線と接線の上下は、差を \((x-1)^2\)、\((x-1)^3\) の形にすると一目で比べられます。 最後の外接円は「直角三角形の斜辺が直径」、面積は「扇形−三角形」で仕上げます。

この回で扱う問題

\(a\) は \(a\gt 1\) を満たす実数とし、

\(f(x)=\dfrac12(a^2-x^2)\)、\(g(x)=-\dfrac12x^3+\dfrac32x^2-\dfrac52x+\dfrac12a^2+1\)

とする。\(y=f(x)\) のグラフの \(0\le x\le a\) の部分を \(C_1\)、\(y=g(x)\) のグラフを \(C_2\) とし、\(C_1\) 上に \(x\) 座標が 1 の点 P をとり、P から \(x\) 軸に引いた垂線と \(x\) 軸の交点を Q とする。点 P における \(C_1\) の接線を \(L\) とする。

(1) △OPQ の面積 \(S\)、\(C_1\) と \(x\) 軸・\(y\) 軸で囲まれた図形の面積 \(T\) を求め、\(\dfrac{S}{T}\) が最大となる \(a\) を求めよ。

(2) \(g'(x)\) の最大値、\(C_2\) と \(L\) が接するような \(a\) の値(セ)、\(L:\ y=h(x)\) としたときの \(h(x)-f(x)\)(ソ)、\(g(x)-h(x)\)(タ)を答え、\(0\le x\le 1\) で \(C_1\)、\(L\)、\(y\) 軸で囲まれた面積 \(M_1\) と \(C_2\)、\(L\)、\(y\) 軸で囲まれた面積 \(M_2\) の大小(チ)を答えよ。

(3) △OPQ の外接円 \(C_3\) が \(L\) に接するとき、\(C_3\) の方程式と、\(C_1\) の \(x\le 1\) の部分、\(C_3\) の \(x\ge 1\) の部分、\(x\) 軸、\(y\) 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

方針 ― 置きかえと「接線との差」

  • \(\dfrac{S}{T}\) は \(\dfrac1a=t\)(\(0\lt t\lt 1\))とおいて3次関数の最大。
  • 接する ⇔ 差が \((x-1)^2\) を因数にもつ。差を \((x-1)\) の累乗で表すと上下がすぐわかる。
  • ∠OQP=90° なので OP が外接円の直径。円の部分の面積は扇形から三角形を引く。

(1) S と T(ア〜オ)

P\(\left(1,\ \dfrac12(a^2-1)\right)\)、Q\((1,\ 0)\)。\(a\gt 1\) なので P の \(y\) 座標は正です。

\[S=\frac12\cdot 1\cdot\frac12(a^2-1)\]

\[S=\frac14(a^2-1)\]

(ア=4、イ=2、ウ=1)

\(0\le x\le a\) で \(f(x)\ge 0\) なので

\[T=\int_0^a\frac12(a^2-x^2)\,dx\]

\[=\frac12\left(a^3-\frac13a^3\right)=\frac13a^3\]

xyOP(1, (a² − 1)/2)Qaa²/2C₁ST:C₁ と両軸で囲む部分S:△OPQ(図は a = 2)
C₁ と △OPQ(黄)、C₁ と両軸で囲まれた部分 T(薄緑)。図は a = 2

\(T=\dfrac13a^3\)(エ=3、オ=3)

(1) S/T の最大(カ〜コ)

\[\frac{S}{T}=\frac{3(a^2-1)}{4a^3}\]

分子と分母を \(a^3\) で割ると

\[\frac{S}{T}=\frac34\left\{\frac1a-\left(\frac1a\right)^3\right\}\]

(カ=3、キ=4、ク=1、ケ=3)

\(t=\dfrac1a\) とおくと、\(a\gt 1\) より \(0\lt t\lt 1\)。\(U(t)=t-t^3\) とすると

\[U'(t)=1-3t^2\]

\(0\lt t\lt 1\) で \(U'(t)=0\) となるのは \(t=\dfrac{1}{\sqrt3}\)。ここで増加から減少に変わるので、極大がそのまま最大です。

\(\dfrac{S}{T}\) は \(a=\sqrt3\) で最大(コ=3)

(2) g′(x) の最大と、C2 と L(サ〜セ)

\[g'(x)=-\frac32x^2+3x-\frac52\]

\[=-\frac32(x-1)^2-1\]

\(g'(x)\) は \(x=1\) で最大値 \(-1\)(サ=1、シス=−1)

一方、\(f'(x)=-x\) なので、\(a\) の値に関係なく

\[f(1)=g(1)=\frac12a^2-\frac12\]

\[f'(1)=g'(1)=-1\]

つまり \(C_2\) と \(L\) は、どんな \(a\) でも点 P で接します。

そのような \(a\) は無数に存在する(セ=⑤)

(2) 接線との差と M1、M2(ソ〜チ)

\(L\) の方程式は \(y-\dfrac12(a^2-1)=-(x-1)\)、つまり

\[h(x)=-x+\frac12a^2+\frac12\]

差をとると、\(a\) が消えます。

\[h(x)-f(x)=\frac12(x-1)^2\]

\[g(x)-h(x)=-\frac12(x-1)^3\]

(ソ=②、タ=⑦)

\(0\lt x\lt 1\) では \(0\lt 1-x\lt 1\) なので \((1-x)^2\gt (1-x)^3\)。つまり

\[\frac12(x-1)^2\gt -\frac12(x-1)^3\]

実際に積分すると \(M_1=\dfrac16\)、\(M_2=\dfrac18\) です。

xyOP1C₁C₂LM₁M₂L − C₁ = (1/2)(x − 1)²C₂ − L = −(1/2)(x − 1)³0 < x < 1 では(1 − x)² > (1 − x)³M₁ > M₂(図は a = √3)
C₁(黒)、C₂(緑)、接線 L(黄)。L と C₁ の間が M₁、C₂ と L の間が M₂。図は a = √3

\(M_1\gt M_2\)(チ=②)

(3) 外接円 C3(ツ〜ト)

∠OQP=90° なので、OP は △OPQ の外接円 \(C_3\) の直径です。

\(C_3\) が P で \(L\) に接するのは OP⊥\(L\) のとき。\(L\) の傾きは \(-1\) なので、OP の傾きは 1。

P の \(y\) 座標が 1 になるので

\[\frac12(a^2-1)=1\]

\(a^2=3\)、\(a\gt 1\) より \(a=\sqrt3\)。P\((1,\ 1)\) です。

中心 R は OP の中点 \(\left(\dfrac12,\ \dfrac12\right)\)、半径は \(\dfrac12\mathrm{OP}=\dfrac{\sqrt2}{2}\)。

\[\left(x-\frac12\right)^2+\left(y-\frac12\right)^2=\frac12\]

(ツ=2、テ=2、ト=2)

(3) 面積(ナ〜ノ)

求める図形は、\(C_1\) の下の部分(\(0\le x\le 1\))と、弦 PQ の右側の弓形に分かれます。 OP の傾きが 1 なので ∠POQ=45°、円周角の定理から ∠PRQ=90°。弓形は、中心角 90° の扇形 RQP から △RQP を引いたものです。

xyOP(1, 1)QRC₁C₃L∫₀¹ f(x)dxa = √3、OP ⊥ L中心 R(1/2, 1/2)、半径 √2/2面積 = ∫₀¹ f(x)dx + 扇形 RQP − △RQP= 4/3 + π/8 − 1/4
C₁(黒)、外接円 C₃(緑)、接線 L(黄)。塗った部分が求める図形

\[\int_0^1\frac12(3-x^2)\,dx=\frac12\left(3-\frac13\right)=\frac43\]

\[\text{扇形}=\frac14\pi\left(\frac{\sqrt2}{2}\right)^2=\frac{\pi}{8}\]

\[\triangle\mathrm{RQP}=\frac12\left(\frac{\sqrt2}{2}\right)^2=\frac14\]

合わせて

\[\frac43+\frac{\pi}{8}-\frac14\]

\[\frac{13}{12}+\frac{\pi}{8}\]

(ナニ=13、ヌネ=12、ノ=8)

つまずきポイント

  1. \(t=\dfrac1a\) の範囲を確かめない。 \(a\gt 1\) なので \(0\lt t\lt 1\)。この範囲で増減表をかく。
  2. セで \(a\) を1つ求めようとする。 \(f(1)=g(1)\)、\(f'(1)=g'(1)\) が \(a\) に関係なく成り立つので「無数に存在する」。
  3. \((x-1)^3\) の符号を取り違える。 \(0\lt x\lt 1\) で \((x-1)^3\lt 0\) なので、\(-\dfrac12(x-1)^3\gt 0\)。
  4. 円の部分を積分で直接求めようとする。 扇形−三角形で求める。

要点まとめ

  1. \(\dfrac{S}{T}=\dfrac34\left\{\dfrac1a-\left(\dfrac1a\right)^3\right\}\) は \(a=\sqrt3\) で最大。
  2. \(g'(x)=-\dfrac32(x-1)^2-1\)。\(C_2\) と \(L\) はどの \(a\) でも P で接する(⑤)。
  3. \(h-f=\dfrac12(x-1)^2\)、\(g-h=-\dfrac12(x-1)^3\) から \(M_1\gt M_2\)。
  4. 外接円は OP が直径で \(\left(x-\dfrac12\right)^2+\left(y-\dfrac12\right)^2=\dfrac12\)。面積は \(\dfrac{13}{12}+\dfrac{\pi}{8}\)。
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