
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
面積の比 \(\dfrac{S}{T}\) は、\(\dfrac1a=t\) とおくと \(t\) の3次関数になります。 曲線と接線の上下は、差を \((x-1)^2\)、\((x-1)^3\) の形にすると一目で比べられます。 最後の外接円は「直角三角形の斜辺が直径」、面積は「扇形−三角形」で仕上げます。
この回で扱う問題
\(a\) は \(a\gt 1\) を満たす実数とし、
\(f(x)=\dfrac12(a^2-x^2)\)、\(g(x)=-\dfrac12x^3+\dfrac32x^2-\dfrac52x+\dfrac12a^2+1\)
とする。\(y=f(x)\) のグラフの \(0\le x\le a\) の部分を \(C_1\)、\(y=g(x)\) のグラフを \(C_2\) とし、\(C_1\) 上に \(x\) 座標が 1 の点 P をとり、P から \(x\) 軸に引いた垂線と \(x\) 軸の交点を Q とする。点 P における \(C_1\) の接線を \(L\) とする。
(1) △OPQ の面積 \(S\)、\(C_1\) と \(x\) 軸・\(y\) 軸で囲まれた図形の面積 \(T\) を求め、\(\dfrac{S}{T}\) が最大となる \(a\) を求めよ。
(2) \(g'(x)\) の最大値、\(C_2\) と \(L\) が接するような \(a\) の値(セ)、\(L:\ y=h(x)\) としたときの \(h(x)-f(x)\)(ソ)、\(g(x)-h(x)\)(タ)を答え、\(0\le x\le 1\) で \(C_1\)、\(L\)、\(y\) 軸で囲まれた面積 \(M_1\) と \(C_2\)、\(L\)、\(y\) 軸で囲まれた面積 \(M_2\) の大小(チ)を答えよ。
(3) △OPQ の外接円 \(C_3\) が \(L\) に接するとき、\(C_3\) の方程式と、\(C_1\) の \(x\le 1\) の部分、\(C_3\) の \(x\ge 1\) の部分、\(x\) 軸、\(y\) 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。
方針 ― 置きかえと「接線との差」
- \(\dfrac{S}{T}\) は \(\dfrac1a=t\)(\(0\lt t\lt 1\))とおいて3次関数の最大。
- 接する ⇔ 差が \((x-1)^2\) を因数にもつ。差を \((x-1)\) の累乗で表すと上下がすぐわかる。
- ∠OQP=90° なので OP が外接円の直径。円の部分の面積は扇形から三角形を引く。
(1) S と T(ア〜オ)
P\(\left(1,\ \dfrac12(a^2-1)\right)\)、Q\((1,\ 0)\)。\(a\gt 1\) なので P の \(y\) 座標は正です。
\[S=\frac12\cdot 1\cdot\frac12(a^2-1)\]
\[S=\frac14(a^2-1)\]
(ア=4、イ=2、ウ=1)
\(0\le x\le a\) で \(f(x)\ge 0\) なので
\[T=\int_0^a\frac12(a^2-x^2)\,dx\]
\[=\frac12\left(a^3-\frac13a^3\right)=\frac13a^3\]
\(T=\dfrac13a^3\)(エ=3、オ=3)
(1) S/T の最大(カ〜コ)
\[\frac{S}{T}=\frac{3(a^2-1)}{4a^3}\]
分子と分母を \(a^3\) で割ると
\[\frac{S}{T}=\frac34\left\{\frac1a-\left(\frac1a\right)^3\right\}\]
(カ=3、キ=4、ク=1、ケ=3)
\(t=\dfrac1a\) とおくと、\(a\gt 1\) より \(0\lt t\lt 1\)。\(U(t)=t-t^3\) とすると
\[U'(t)=1-3t^2\]
\(0\lt t\lt 1\) で \(U'(t)=0\) となるのは \(t=\dfrac{1}{\sqrt3}\)。ここで増加から減少に変わるので、極大がそのまま最大です。
\(\dfrac{S}{T}\) は \(a=\sqrt3\) で最大(コ=3)
(2) g′(x) の最大と、C2 と L(サ〜セ)
\[g'(x)=-\frac32x^2+3x-\frac52\]
\[=-\frac32(x-1)^2-1\]
\(g'(x)\) は \(x=1\) で最大値 \(-1\)(サ=1、シス=−1)
一方、\(f'(x)=-x\) なので、\(a\) の値に関係なく
\[f(1)=g(1)=\frac12a^2-\frac12\]
\[f'(1)=g'(1)=-1\]
つまり \(C_2\) と \(L\) は、どんな \(a\) でも点 P で接します。
そのような \(a\) は無数に存在する(セ=⑤)
(2) 接線との差と M1、M2(ソ〜チ)
\(L\) の方程式は \(y-\dfrac12(a^2-1)=-(x-1)\)、つまり
\[h(x)=-x+\frac12a^2+\frac12\]
差をとると、\(a\) が消えます。
\[h(x)-f(x)=\frac12(x-1)^2\]
\[g(x)-h(x)=-\frac12(x-1)^3\]
(ソ=②、タ=⑦)
\(0\lt x\lt 1\) では \(0\lt 1-x\lt 1\) なので \((1-x)^2\gt (1-x)^3\)。つまり
\[\frac12(x-1)^2\gt -\frac12(x-1)^3\]
実際に積分すると \(M_1=\dfrac16\)、\(M_2=\dfrac18\) です。
\(M_1\gt M_2\)(チ=②)
(3) 外接円 C3(ツ〜ト)
∠OQP=90° なので、OP は △OPQ の外接円 \(C_3\) の直径です。
\(C_3\) が P で \(L\) に接するのは OP⊥\(L\) のとき。\(L\) の傾きは \(-1\) なので、OP の傾きは 1。
P の \(y\) 座標が 1 になるので
\[\frac12(a^2-1)=1\]
\(a^2=3\)、\(a\gt 1\) より \(a=\sqrt3\)。P\((1,\ 1)\) です。
中心 R は OP の中点 \(\left(\dfrac12,\ \dfrac12\right)\)、半径は \(\dfrac12\mathrm{OP}=\dfrac{\sqrt2}{2}\)。
\[\left(x-\frac12\right)^2+\left(y-\frac12\right)^2=\frac12\]
(ツ=2、テ=2、ト=2)
(3) 面積(ナ〜ノ)
求める図形は、\(C_1\) の下の部分(\(0\le x\le 1\))と、弦 PQ の右側の弓形に分かれます。 OP の傾きが 1 なので ∠POQ=45°、円周角の定理から ∠PRQ=90°。弓形は、中心角 90° の扇形 RQP から △RQP を引いたものです。
\[\int_0^1\frac12(3-x^2)\,dx=\frac12\left(3-\frac13\right)=\frac43\]
\[\text{扇形}=\frac14\pi\left(\frac{\sqrt2}{2}\right)^2=\frac{\pi}{8}\]
\[\triangle\mathrm{RQP}=\frac12\left(\frac{\sqrt2}{2}\right)^2=\frac14\]
合わせて
\[\frac43+\frac{\pi}{8}-\frac14\]
\[\frac{13}{12}+\frac{\pi}{8}\]
(ナニ=13、ヌネ=12、ノ=8)
つまずきポイント
- \(t=\dfrac1a\) の範囲を確かめない。 \(a\gt 1\) なので \(0\lt t\lt 1\)。この範囲で増減表をかく。
- セで \(a\) を1つ求めようとする。 \(f(1)=g(1)\)、\(f'(1)=g'(1)\) が \(a\) に関係なく成り立つので「無数に存在する」。
- \((x-1)^3\) の符号を取り違える。 \(0\lt x\lt 1\) で \((x-1)^3\lt 0\) なので、\(-\dfrac12(x-1)^3\gt 0\)。
- 円の部分を積分で直接求めようとする。 扇形−三角形で求める。
要点まとめ
- \(\dfrac{S}{T}=\dfrac34\left\{\dfrac1a-\left(\dfrac1a\right)^3\right\}\) は \(a=\sqrt3\) で最大。
- \(g'(x)=-\dfrac32(x-1)^2-1\)。\(C_2\) と \(L\) はどの \(a\) でも P で接する(⑤)。
- \(h-f=\dfrac12(x-1)^2\)、\(g-h=-\dfrac12(x-1)^3\) から \(M_1\gt M_2\)。
- 外接円は OP が直径で \(\left(x-\dfrac12\right)^2+\left(y-\dfrac12\right)^2=\dfrac12\)。面積は \(\dfrac{13}{12}+\dfrac{\pi}{8}\)。