共テ数学ⅡBC 第4回【第7問】QA=QP で点 Q の軌跡は楕円か双曲線になる ― 平面上の曲線

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

線分 AP の垂直二等分線上の点 Q は、QA=QP を満たします。 この1つの性質から、A が円の内側なら \(\mathrm{OQ}+\mathrm{QA}\) が一定で楕円、外側なら \(|\mathrm{OQ}-\mathrm{QA}|\) が一定で双曲線。 どちらも焦点は O と A です。

この回で扱う問題

円 \(C:\ x^2+y^2=r^2\ (r\gt 0)\)、点 \(\mathrm{A}(2,\,0)\)、\(C\) 上の点 P、線分 AP の垂直二等分線 \(\ell\)、直線 OP と \(\ell\) の交点 Q を考える。

(1) \(r=4\) のとき、\(\mathrm{OQ}+\mathrm{QP}\) と等しいものを選び、Q の軌跡(楕円 \(D\))の中心、短軸の長さ、方程式を求めよ。

(2) \(r=1\) のとき、Q の軌跡(双曲線 \(E\))を選び、方程式と漸近線の傾きを求めよ。

(3) \(r\) を変化させたときの考察(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)の正誤を判定せよ。

方針 ― 垂直二等分線なら QA=QP

  • Q は \(\ell\) 上にあるので QA=QP。これで QP を QA に置きかえる。
  • Q は直線 OP 上にもある。O、Q、P の並び方で OP=OQ+QP か \(|\mathrm{OQ}-\mathrm{QP}|\) かが決まる。
  • 距離の和が一定なら楕円、差が一定なら双曲線。焦点は O と A、中心はその中点 \((1,\,0)\)。

(1) \(r=4\) のとき:楕円(ア〜ク)

xyOPQAℓr = 4(A は円の内側)QA = QPOQ + QA = OQ + QP = 4O、A が焦点の楕円(x−1)²/4 + y²/3 = 1
r = 4 では A が円の内側。Q は線分 OP 上にあり、OQ + QA = 4

A は円の内側なので、Q は線分 OP 上にあります。\(\mathrm{OQ}+\mathrm{QP}=\mathrm{OP}=4\)、そして QP=QA なので

\[\mathrm{OQ}+\mathrm{QA}=4\]

(ア=②)

2定点 O、A からの距離の和が一定なので、Q の軌跡は O、A を焦点とする楕円(イ=②)。

  • 中心は O と A の中点 \((1,\,0)\)(ウ=1、エ=0)。
  • 長軸の長さは距離の和 4 なので、長半径 \(2\)。中心から焦点までは \(1\)。
  • 短半径は \(\sqrt{2^2-1^2}=\sqrt{3}\)。短軸の長さは \(2\sqrt{3}\)(オ=③)。

\[\frac{(x-1)^2}{4}+\frac{y^2}{3}=1\]

(カ=1、キ=4、ク=3)

(2) \(r=1\) のとき:双曲線(ケ〜セ)

xyOPQAr = 1(A は円の外側)QA = QP|OQ − QA| = OP = 1O、A が焦点の双曲線4(x−1)² − 4/3·y² = 1漸近線の傾き ±√3
r = 1 では A が円の外側。Q は線分 OP の外にあり、|OQ − QA| = 1

A は円の外側なので、Q は線分 OP の外(延長上)にあります。このとき \(|\mathrm{OQ}-\mathrm{QP}|=\mathrm{OP}=1\)、QP=QA なので

\[|\mathrm{OQ}-\mathrm{QA}|=1\]

距離の差が一定なので O、A を焦点とする双曲線(ケ=①)。

  • 中心は \((1,\,0)\)、中心から焦点までは \(1\)。
  • 距離の差 \(1\) が頂点間の距離なので、実半径は \(\dfrac{1}{2}\)。
  • 虚半径は \(\sqrt{1^2-\left(\dfrac{1}{2}\right)^2}=\dfrac{\sqrt{3}}{2}\)。

\[\frac{(x-1)^2}{\frac{1}{4}}-\frac{y^2}{\frac{3}{4}}=1\]

\[4(x-1)^2-\frac{4}{3}y^2=1\]

(コ=4、サ=1、シ=4、ス=3)

漸近線の傾きは \(\pm\dfrac{\text{虚半径}}{\text{実半径}}=\pm\dfrac{\sqrt{3}/2}{1/2}=\pm\sqrt{3}\)(セ=⑥)。

(3) \(r\) を変えたときの考察(ソ)

一般の \(r\) でも、焦点は O、A(中心から焦点まで \(1\))、距離の和または差は \(r\) です。

  • \(r\gt 2\):A は円の内側 → 楕円(長半径 \(\dfrac{r}{2}\))。
  • \(0\lt r\lt 2\):A は円の外側 → 双曲線(実半径 \(\dfrac{r}{2}\))。
  • \(r=2\):A が円の上にあり、\(\ell\) はいつも O を通るので Q は O に重なる。

(Ⅰ) 双曲線になるのは \(0\lt r\lt 2\)。\(0\lt r\le 1\) だけではないので誤。たとえば \(r=1.5\) でも双曲線です。

(Ⅱ) 楕円の2つの焦点 O、A は異なる点なので、円にはなりません。誤。

(Ⅲ) 漸近線が垂直に交わるのは、実半径と虚半径が等しいとき。中心から焦点までが 1 なので \(\left(\dfrac{r}{2}\right)^2\times 2=1\)、\(r=\sqrt{2}\)。\(0\lt \sqrt{2}\lt 2\) なので存在します。正。

(Ⅰ)誤、(Ⅱ)誤、(Ⅲ)正

(ソ=⑥)

つまずきポイント

  1. QA=QP を使わずに座標で追う。 計算が重くなる。垂直二等分線を見たら「両端から等距離」。
  2. 楕円の「長軸の長さ」と「長半径」を混同する。 距離の和 4 は長軸の長さ。方程式の分母は半径の2乗 \(4\) と \(3\)。
  3. 双曲線の分母を整理し忘れる。 \(\dfrac{(x-1)^2}{1/4}\) は \(4(x-1)^2\)。
  4. (Ⅰ)を \(r=1\) の結果だけで判断する。 境目は A が円の上にくる \(r=2\)。

要点まとめ

  1. 垂直二等分線上の点は両端から等距離。QA=QP で QP を QA に置きかえる。
  2. \(r=4\):\(\mathrm{OQ}+\mathrm{QA}=4\) の楕円 \(\dfrac{(x-1)^2}{4}+\dfrac{y^2}{3}=1\)。\(r=1\):\(|\mathrm{OQ}-\mathrm{QA}|=1\) の双曲線 \(4(x-1)^2-\dfrac{4}{3}y^2=1\)、漸近線の傾き \(\pm\sqrt{3}\)。
  3. \(r\gt 2\) で楕円、\(0\lt r\lt 2\) で双曲線。円にはならず、\(r=\sqrt{2}\) で直角双曲線。
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