
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
漸化式は、となり合う2項 \(a_n\) と \(a_{n+1}\) の関係式です。 最初にやることは計算ではなく型を見分けること。 基本の型は ①等差型・②等比型・③階差型 の3つで、型が決まれば処理の仕方も決まります。
この回で扱う問題
次の条件によって定められる数列 \(\{a_n\}\) の一般項を求めよ。
(1) \(a_1=2,\ a_{n+1}=a_n+3\)
(2) \(a_1=3,\ a_{n+1}=2a_n\)
(3) \(a_1=-3,\ a_{n+1}=a_n+4\)
(4) \(a_1=2,\ a_{n+1}=2a_n\)
(5) \(a_1=3,\ a_{n+1}=a_n+2n\)
(6) \(a_1=3,\ a_{n+1}=a_n+2n-1\)
(7) \(a_1=2,\ a_{n+1}=a_n+n^2\)
(8) \(a_1=3,\ a_{n+1}=a_n+2^{n-1}\)
方針 ― まず型を見分ける
- \(a_{n+1}=a_n+(\text{定数})\):等差型。公差がそのまま読める。
- \(a_{n+1}=(\text{定数})\times a_n\):等比型。公比がそのまま読める。
- \(a_{n+1}=a_n+(n\text{ の式})\):階差型。足すものが階差数列。
① 等差型 ― (1)(3)
\(a_{n+1}=a_n+d\) は、\(a_{n+1}-a_n=d\)(一定)ということ。となりとの差がいつも \(d\) なので、公差 \(d\) の等差数列です。
(1) \(a_1=2,\ a_{n+1}=a_n+3\)
初項 \(2\)、公差 \(3\) の等差数列なので
\[a_n=2+(n-1)\times 3=3n-1\]
(3) \(a_1=-3,\ a_{n+1}=a_n+4\)
初項 \(-3\)、公差 \(4\) の等差数列なので
\[a_n=-3+(n-1)\times 4=4n-7\]
② 等比型 ― (2)(4)
\(a_{n+1}=ra_n\) は、前の項を \(r\) 倍すると次の項。公比 \(r\) の等比数列です。
(2) \(a_1=3,\ a_{n+1}=2a_n\)
初項 \(3\)、公比 \(2\) の等比数列なので
\[a_n=3\cdot 2^{n-1}\]
(4) \(a_1=2,\ a_{n+1}=2a_n\)
初項 \(2\)、公比 \(2\) の等比数列なので
\[a_n=2\cdot 2^{n-1}=2^n\]
等差型と等比型の違い:\(a_n\) に定数を足すのが等差型、定数を掛けるのが等比型。 どちらも「定数」なのがポイントです。
③ 階差型 ― (5)
\(a_{n+1}=a_n+2n\) は、足すものが定数ではなく \(n\) の式。\(a_{n+1}-a_n=2n\) なので、差を並べると
\[a_2-a_1=2,\quad a_3-a_2=4,\quad a_4-a_3=6,\ \cdots\]
差が \(2,\ 4,\ 6,\ \cdots\) と変わっていきます。これは階差数列が \(b_n=2n\) の数列です。
\(a_{n+1}=a_n+f(n)\) のとき、\(n\ge 2\) で
\[a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\]
最後に \(n=1\) のときも成り立つか確かめる。
(5) \(n\ge 2\) のとき
\[a_n=3+\sum_{k=1}^{n-1}2k=3+2\cdot\frac{1}{2}(n-1)n\]
\[=3+(n-1)n=n^2-n+3\]
\(n=1\) のとき \(1-1+3=3=a_1\) なので、これは \(n=1\) のときも成り立つ。
\[a_n=n^2-n+3\]
練習 ― 階差型を3つ((6)〜(8))
どれも \(a_{n+1}=a_n+(n\text{ の式})\) なので階差型。違うのは、シグマで足すものだけです。
(6) \(a_1=3,\ a_{n+1}=a_n+2n-1\)
\(\{a_n\}\) は初項 \(3\)、階差数列 \(2n-1\) をもつ。\(n\ge 2\) のとき
\[a_n=3+\sum_{k=1}^{n-1}(2k-1)=3+2\sum_{k=1}^{n-1}k-\sum_{k=1}^{n-1}1\]
\[=3+2\cdot\frac12(n-1)n-(n-1)\]
\[=3+n^2-n-n+1=n^2-2n+4\]
\(n=1\) のとき \(1-2+4=3=a_1\)。よって \(n=1\) のときも成り立つ。
\[a_n=n^2-2n+4\]
(7) \(a_1=2,\ a_{n+1}=a_n+n^2\)
\(\{a_n\}\) は初項 \(2\)、階差数列 \(n^2\) をもつ。\(n\ge 2\) のとき、\(\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k^2=\frac16n(n+1)(2n+1)\) の \(n\) を \(n-1\) に置きかえて
\[a_n=2+\sum_{k=1}^{n-1}k^2=2+\frac16(n-1)n(2n-1)\]
\[=\frac16\left\{12+(n-1)n(2n-1)\right\}\]
\[=\frac16\left(2n^3-3n^2+n+12\right)\]
\(n=1\) のとき \(\frac16(2-3+1+12)=2=a_1\)。よって \(n=1\) のときも成り立つ。
\[a_n=\frac16\left(2n^3-3n^2+n+12\right)\]
(8) \(a_1=3,\ a_{n+1}=a_n+2^{n-1}\)
\(\{a_n\}\) は初項 \(3\)、階差数列 \(2^{n-1}\) をもつ。階差数列は等比数列なので、等比数列の和の公式を項数 \(n-1\) で使います。\(n\ge 2\) のとき
\[a_n=3+\sum_{k=1}^{n-1}2^{k-1}=3+\frac{1\cdot(2^{n-1}-1)}{2-1}\]
\[=3+2^{n-1}-1=2^{n-1}+2\]
\(n=1\) のとき \(1+2=3=a_1\)。よって \(n=1\) のときも成り立つ。
\[a_n=2^{n-1}+2\]
検算:\(a_2=a_1+2^0=4\)、\(a_3=a_2+2^1=6\)。式に \(n=2,\ 3\) を入れても \(4,\ 6\) で一致します。
つまずきポイント
- 型を見ずに計算を始める。 まず「足すのか掛けるのか」「定数か \(n\) の式か」を見ます。
- 階差型でシグマの上の端を \(n\) にする。 \(a_n\) までに足すのは \(f(1)\) から \(f(n-1)\) までの \(n-1\) 個。上の端は \(n-1\) です。
- \(\sum_{k=1}^{n-1}1\) を \(n\) と書く。 \(1\) を \(n-1\) 個足すので \(n-1\)。
- \(n=1\) の確認を書かない。 階差型の式は \(n\ge 2\) で作ったもの。\(n=1\) でも成り立つことを書いて、はじめて答えになります。
- (8) の等比数列の和で項数をまちがえる。 \(k=1\) から \(n-1\) までなので項数は \(n-1\)。分子は \(2^{n-1}-1\) です。
要点まとめ
- 漸化式は2項間の関係式。まず型を見分ける → 処理。
- \(a_{n+1}=a_n+d\):等差型、\(a_{n+1}=ra_n\):等比型(\(d,\ r\) は定数)。
- \(a_{n+1}=a_n+f(n)\):階差型。\(n\ge 2\) で \(a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\)。
- 階差型は最後に \(n=1\) のときも成り立つことを確かめる。

