数学B【群数列】群の番号を全体の番号に直す

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

数列をルールに従ってグループ(群)に区切ったものを群数列といいます。 群数列の問題は、「第何群の何番目」を「全体で何番目」に言いかえれば、ふつうの数列の問題に戻ります。 今回は正の奇数を区切った群数列で、第 \(n\) 群の初項と、群の中の項の総和を求めます。

この回で扱う問題

正の奇数の数列を、第 \(n\) 群に \(n\) 個の項が入るように群に分ける。

\[1\ \big|\ 3,\ 5\ \big|\ 7,\ 9,\ 11\ \big|\ 13,\ 15,\ 17,\ 19\ \big|\ 21,\ \cdots\]

(1) 第 \(8\) 群の初項を求めよ。

(2) 第 \(n\) 群の初項を求めよ。

(3) 第 \(n\) 群に含まれる項の総和を求めよ。

方針 ― 「全体」と「群の中」の2つの数列を見る

群数列には、見るべき数列が2つあります。

全体の数列:区切りを取り去ると、初項 \(1\)、公差 \(2\) の等差数列。第 \(N\) 項は \(1+(N-1)\cdot 2\)。

群の中の数列:第 \(n\) 群には \(n\) 個の項。群の中も公差 \(2\) の等差数列。

  • (1)(2) で欲しいのは全体の数列の項。初項と公差は分かっているので、足りないのは「全体で何番目か」だけです。
  • (3) は群の中の等差数列の和。和に必要なのは初項・末項・項数の3つです。
1①35②7911③13151719④21 …第 n 群に n 個第1群1個第2群2個…第n−1群n−1個第n群初項 ← ここ1+2+…+(n−1) = ½(n−1)n 個+1 番目第n群の初項 = 全体で ½(n−1)n+1 番目の項
第n群の前には、1個・2個・…・n−1個の群が並んでいる。その合計に1を足すと、第n群の初項の番号

(1) 第8群の初項

第 \(8\) 群の前には、第 \(1\) 群から第 \(7\) 群までがあり、項数は \(1,\ 2,\ 3,\ \cdots,\ 7\) 個です。 その合計に \(1\) を足せば、第 \(8\) 群の初項が全体で何番目かが分かります。

\[1+2+\cdots+7+1=\sum_{k=1}^{7}k+1\]

\[=\frac{1}{2}\cdot 7\cdot 8+1=29\]

第 \(8\) 群の初項は全体で \(29\) 番目の項です。全体は初項 \(1\)、公差 \(2\) の等差数列だから

\[a_{29}=1+(29-1)\cdot 2=57\]

第 \(8\) 群の初項は \(\ 57\)

(2) 第n群の初項

(1) と同じ考え方を、\(8\) を \(n\) に変えて行います。第 \(n\) 群の前には第 \(1\) 群から第 \(n-1\) 群までがあり、 項数は \(1,\ 2,\ \cdots,\ n-1\) 個です。

\[1+2+\cdots+(n-1)+1=\sum_{k=1}^{n-1}k+1\]

\[=\frac{1}{2}(n-1)n+1\]

シグマの公式 \(\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k=\frac{1}{2}n(n+1)\) の \(n\) を \(n-1\) に置きかえて使っています。 第 \(n\) 群の初項は全体で \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) 番目。全体の一般項に入れて

\[1+\left\{\frac{1}{2}(n-1)n+1-1\right\}\times 2\]

\[=1+(n-1)n=n^{2}-n+1\]

第 \(n\) 群の初項は \(\ n^{2}-n+1\)

検算:\(n=8\) で \(64-8+1=57\)。(1) と一致します。\(n=1\) でも \(1\) になり、第 \(1\) 群の初項と合っています。

(3) 第n群の項の総和

第 \(n\) 群には \(n\) 個の項があり、(2) より初項は \(n^{2}-n+1\)。あとは末項が分かれば、等差数列の和の公式が使えます。

第 \(n\) 群の末項のすぐ後ろは、第 \(n+1\) 群の初項です。全体は公差 \(2\) なので、1つ前に戻るには \(2\) を引けばよい。

第 n 群(n 個)初項… … …末項第 n+1 群初項 …1つ前 = −2(公差)初項 n²−n+1末項 = (n+1)²−(n+1)+1 −2 = n²+n−1総和 = ½ × 項数 × (初項+末項)
第n群の末項は、第n+1群の初項の1つ前。公差2なので2を引く

第 \(n+1\) 群の初項は、(2) の式の \(n\) を \(n+1\) に置きかえたものです。

\[(\text{第 }n\text{ 群の末項})=(n+1)^{2}-(n+1)+1-2\]

\[=n^{2}+2n+1-n-1+1-2=n^{2}+n-1\]

等差数列の和 \(=\dfrac{1}{2}\times(\text{項数})\times(\text{初項}+\text{末項})\) より

\[\frac{1}{2}\cdot n\left\{(n^{2}-n+1)+(n^{2}+n-1)\right\}\]

\[=\frac{1}{2}\cdot n\cdot 2n^{2}=n^{3}\]

第 \(n\) 群の項の総和は \(\ n^{3}\)

検算:\(n=2\) で \(3+5=8=2^{3}\)、\(n=3\) で \(7+9+11=27=3^{3}\)。きれいに立方数になります。

つまずきポイント

  1. 「+1」を忘れる。 \(1+2+\cdots+(n-1)\) は第 \(n-1\) 群の末項の番号。第 \(n\) 群の初項はその次なので \(+1\) が要ります。
  2. シグマの上端を \(n\) にする。 第 \(n\) 群の前にあるのは第 \(n-1\) 群まで。上端は \(n-1\) です。
  3. 番号と項の値を混同する。 \(\frac{1}{2}(n-1)n+1\) は「何番目か」。値はそれを全体の一般項に入れて、はじめて出ます。
  4. 末項を \(n\) 群の中だけで求めようとして迷う。 となりの群の初項から公差を1回引くと早い。群の中で \(n\) 番目として \(n^{2}-n+1+(n-1)\cdot 2\) と求めても同じ \(n^{2}+n-1\) です。

要点まとめ

  1. 群数列は全体の数列と群の中の数列、2つを意識する。
  2. 第 \(n\) 群の初項は、前の群の項数の合計 \(+1\) 番目。群の番号を全体の番号に直す。
  3. 番号が分かれば、全体の一般項に入れて値を出す。
  4. 群の中の和は、初項・末項・項数をそろえて等差数列の和の公式。末項は次の群の初項から戻る。
板書 群数列 ― 奇数の列を群に分ける (1)〜(3)
板書 群数列 ― 奇数の列を群に分ける (1)〜(3)
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