数学Ⅲα【125】傾けた容器は立てて考える

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

球の形の容器は、どちらに傾けても中心から水面までの距離だけで水の量が決まります。 だから傾けた状態を考えず、まっすぐ立てて水面を下げたものとして \(y\) 軸まわりの体積を計算すれば済みます。

この回で扱う問題

曲線 \(x^2+(y-1)^2=1\ (0\le y\le 1)\) を \(y\) 軸のまわりに1回転させてできる回転体の形をした容器に水が満たされている。 この容器を角度 \(\alpha\) だけ傾けると、水がこぼれて水面が \(h\) だけ下がった。

(1) \(h\) と \(\alpha\) の関係を示せ。

(2) 容器を角度 \(\alpha\) だけ傾けたとき、容器に残った水の体積 \(V\) を \(\alpha\) の関数として表せ。

(3) \(\alpha=\dfrac{\pi}{6}\) のとき、容器に残った水の体積は、容器を傾ける前の水の体積の何倍か求めよ。

(豊橋技術科学大・改)

(1) h と α の関係

xyOhα11中心から水面までの距離h = 1 × sin α球なので、どちらに傾けても中心からの距離だけで水の量が決まる→ まっすぐ立てて深さ 1 − sin α と同じ
水面は縁の点を通り、角度 α だけ傾く。中心からの距離 h は 1 × sin α

容器は半径 \(1\) の半球。傾けたときの水面は容器の縁の点を通ります。 中心(半径 \(1\))から縁までを斜辺とする直角三角形を見ると、中心から水面までの距離は

\[h=1\cdot\sin\alpha=\sin\alpha\]

(2) 立てた容器に置きかえる

球は中心のまわりにどう回しても形が変わりません。水面までの距離が \(h\) なら、 まっすぐ立てて水面の高さを \(1-h=1-\sin\alpha\) にしたときと同じ水の量です。

\(y\) 軸のまわりの回転体なので、半径は \(x\)。\(x^2=1-(y-1)^2=-y^2+2y\) より

\[V=\pi\int_0^{1-\sin\alpha}x^2dy=\pi\int_0^{1-\sin\alpha}(-y^2+2y)\,dy\]

\[=\pi\left[-\frac{y^3}{3}+y^2\right]_0^{1-\sin\alpha}=\frac{\pi}{3}\Big[y^2(3-y)\Big]_0^{1-\sin\alpha}\]

\(y=1-\sin\alpha\) を入れると \(3-y=2+\sin\alpha\) なので

\[V=\frac{\pi}{3}(1-\sin\alpha)^2(2+\sin\alpha)\]

(3) α = π/6 のとき

\(\sin\frac{\pi}{6}=\frac12\) を入れて

\[V=\frac{\pi}{3}\cdot\frac14\cdot\frac52=\frac{5}{24}\pi\]

傾ける前の水は半球いっぱいで \(\frac12\cdot\frac43\pi\cdot 1^3=\frac23\pi\)。

\[\frac{5}{24}\pi\div\frac{2}{3}\pi=\frac{5}{16}\]

\(\dfrac{5}{16}\) 倍

検算:(2) の式で \(\alpha=0\) とすると \(\frac{\pi}{3}\cdot 1\cdot 2=\frac23\pi\)。傾ける前の量と一致します。

つまずきポイント

  1. 傾いたまま体積を求めようとする。 球の対称性で、まっすぐ立てた状態に置きかえられます。
  2. \(h\) を \(\tan\alpha\) にする。 \(h\) は中心から水面への垂線の長さ。斜辺が \(1\) の直角三角形なので \(\sin\alpha\)。
  3. 積分の上端を \(h\) にする。 水面は上から \(h\) 下がるので、高さは \(1-h\)。

要点まとめ

  1. 球の容器は、中心から水面までの距離だけで水の量が決まる。
  2. 傾けた容器は、立てて水面を下げた容器に置きかえる。
  3. \(y\) 軸のまわりなら \(\pi\int x^2dy\)。円の式から \(x^2\) を \(y\) で表す。
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