
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
2つの放物線の間の面積は、差 \(g-f\) を因数分解して \(\dfrac{(\beta-\alpha)^3}{6}\) の公式で一気に出します。 \(T(s)=\displaystyle\int_1^s\) の形の関数は 微分すると中身に \(s\) を入れるだけ。最後の三角形は「底辺と平行に動くと面積は変わらない」がカギです。
この回で扱う問題
2つの2次関数 \(f(x)=x^2-4x-2\)、\(g(x)=-x^2+8x-12\) があり、\(y=f(x)\)、\(y=g(x)\) のグラフをそれぞれ \(C_1\)、\(C_2\) とする。
(1) \(C_1\) と \(C_2\) の共有点の \(x\) 座標は ア、イ(ア<イ)で、\(C_1\) と \(C_2\) で囲まれた図形の面積は \(\dfrac{\fbox{ウエ}}{\fbox{オ}}\)。
(2) \(s\ge\) ア を満たす実数 \(s\) に対し \(T(s)=\displaystyle\int_{\fbox{ア}}^s\{g(x)-f(x)\}\,dx\) とする。\(y=T(s)\) のグラフ上の点 \((5,\ T(5))\) における接線の傾きは(カ)(⓪ 0 ① 正 ② 負)。\(y=T(s)\) のグラフの概形は(キ)(⓪〜⑤ の図から選ぶ。⓪〜② は増加してから減少し、出発点がそれぞれ \(s\) 軸の下・上・\(s\) 軸上と異なる。③〜⑤ は減少してから増加)。
(3) 点 \((0,\ -3)\) を通り \(C_1\) に第4象限で接する直線を \(\ell_1\)、点 \((0,\ -3)\) を通り \(C_2\) に第1象限で接する直線を \(\ell_2\) とする。\(\ell_1:\ y=-\)ク\(x-\)ケ、\(\ell_2:\ y=\)コ\(x-\)ケ。\(C_2\) の ア\(\le x\le\)イ の部分および \(\ell_1\)、\(\ell_2\) で囲まれた図形の面積は \(\dfrac{\fbox{サシ}}{\fbox{ス}}\)。
\(C_1\) と \(C_2\) の共有点を \(x\) 座標が小さい方から A、B とし、点 \((0,\ -3)\) を C、\(\ell_2\) と \(C_2\) の接点を D とする。点 P が線分 AB 上を A から B まで動くとき、\(\triangle CDP\) の面積は(セ)(⓪ つねに増加する ① 一定である ② つねに減少する ③ 増加した後、減少する ④ 減少した後、増加する)。
方針
- \(g-f\) を因数分解 → 共有点と面積(\(\dfrac16\) 公式)。
- \(T'(s)=g(s)-f(s)\)。出発点 \(T(1)\) と傾き \(T'(1)\) も確かめる。
- 接線は \(y=mx-3\) と連立して判別式 \(=0\)。三角形は底辺と動く線が平行かを見る。
(1) 共有点と面積(ア〜オ)
\[g(x)-f(x)=-2x^2+12x-10\]
\[=-2(x-1)(x-5)\]
共有点の \(x\) 座標は1と5。\(1\le x\le 5\) では \(g\ge f\) なので
\[S=\int_1^5-2(x-1)(x-5)\,dx\]
\[=2\cdot\frac{(5-1)^3}{6}=\frac{64}{3}\]
(ア=1、イ=5)、\(\dfrac{64}{3}\)(ウエ=64、オ=3)
(2) 接線の傾き(カ)
\(T(s)=\displaystyle\int_1^s\{g(x)-f(x)\}\,dx\) を微分すると、中身に \(s\) を入れたものになります。
\[T'(s)=g(s)-f(s)=-2(s-1)(s-5)\]
\(T'(5)=0\) です。
(カ=⓪)
(2) y = T(s) の概形(キ)
- \(T(1)=\displaystyle\int_1^1=0\):出発点は \(s\) 軸上。
- \(T'(1)=0\):出発点で傾き0(水平に出る)。
- \(1\lt s\lt 5\) で \(T'(s)\gt 0\)(増加)、\(s\gt 5\) で \(T'(s)\lt 0\)(減少)。\(s=5\) で極大 \(T(5)=\dfrac{64}{3}\)。
増加してから減少し、出発点が \(s\) 軸上にあるグラフです。
(キ=①)
(3) 接線 ℓ₁、ℓ₂(ク・ケ・コ)
\(y=mx-3\) と \(C_1\) を連立すると \(x^2-(4+m)x+1=0\)。接する条件は
\[(4+m)^2-4=0\ \Longrightarrow\ m=-2,\ -6\]
接点の \(x\) 座標は \(\dfrac{4+m}{2}\)。\(m=-2\) なら \(x=1\)、接点 \((1,\ -5)\) で第4象限。(\(m=-6\) は \((-1,\ 3)\) で第2象限。)
\(y=mx-3\) と \(C_2\) を連立すると \(x^2+(m-8)x+9=0\)。
\[(m-8)^2-36=0\ \Longrightarrow\ m=2,\ 14\]
接点の \(x\) 座標は \(\dfrac{8-m}{2}\)。\(m=2\) なら \(x=3\)、接点 \((3,\ 3)\) で第1象限。
\(\ell_1:\ y=-2x-3\)(ク=2、ケ=3)、\(\ell_2:\ y=2x-3\)(コ=2)
(3) 囲まれた図形の面積(サシ・ス)
\(\ell_1\) の接点 \((1,\ -5)\) は、ちょうど \(C_1\) と \(C_2\) の共有点 A です。図形は C(0, −3)、A(1, −5)、D(3, 3) を頂点のように結ぶ部分で、\(x=1\) で分けて計算します。
- \(0\le x\le 1\):上が \(\ell_2\)、下が \(\ell_1\)。差は \((2x-3)-(-2x-3)=4x\)
- \(1\le x\le 3\):上が \(\ell_2\)、下が \(C_2\)。差は
\((2x-3)-(-x^2+8x-12)\)
\(\quad=x^2-6x+9=(x-3)^2\)
\[\int_0^1 4x\,dx+\int_1^3(x-3)^2\,dx\]
\[=2+\frac83=\frac{14}{3}\]
\(\dfrac{14}{3}\)(サシ=14、ス=3)
(3) △CDP の面積(セ)
A(1, −5)、B(5, 3) を通る直線 AB は傾き \(\dfrac{3-(-5)}{5-1}=2\) で
\[AB:\ y=2x-7\]
C、D は \(\ell_2:\ y=2x-3\) 上にあるので、CD も傾き2。AB と CD は平行です。
底辺 CD を固定すると、P が AB 上のどこにあっても高さ(2直線の距離)は同じなので、面積は変わりません。
一定である(セ=①)
つまずきポイント
- \(\dfrac16\) 公式で係数をかけ忘れる。 \(g-f\) の \(x^2\) の係数は \(-2\) なので \(2\cdot\dfrac{4^3}{6}\)。
- 概形を増減だけで選ぶ。 出発点の値 \(T(1)=0\) と傾き \(T'(1)=0\) で ⓪〜② を見分ける。
- 面積を1つの式で積分する。 下側の線が \(x=1\) で \(\ell_1\) から \(C_2\) に変わる。
要点まとめ
- \(g-f=-2(x-1)(x-5)\)、面積 \(\dfrac{64}{3}\)。
- \(T'(s)=g(s)-f(s)\)、\(T'(5)=0\)(カ=⓪)、概形は ①。
- \(\ell_1:\ y=-2x-3\)、\(\ell_2:\ y=2x-3\)、面積 \(\dfrac{14}{3}\)。AB ∥ CD で \(\triangle CDP\) は一定。