
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
2次関数の最大・最小は、結局「軸」と「範囲の左右の端」の3か所しか候補がない。 この問題は、軸の位置が \(1\) より右と決まるので、最大はいつでも左端。 最小だけ、軸が範囲に入るかどうかで場合分けします。 そして最後は \(a+\dfrac{1}{a}\)、つまり逆数の和 → 相加相乗です。
この回で扱う問題(神戸大)
実数 \(a,\ b\) に対して \(f(x)=a(x-b)^{2}\) とおく。ただし \(a\) は正とする。 放物線 \(y=f(x)\) が直線 \(y=-4x+4\) に接している。
(1) \(b\) を \(a\) を用いて表せ。
(2) \(0\le x\le 2\) において、\(f(x)\) の最大値 \(M(a)\) と最小値 \(m(a)\) を求めよ。
(3) \(a\) が正の実数を動くとき、\(M(a)\) の最小値を求めよ。
(1) 「接する」は判別式 \(D=0\)
放物線と直線が接する条件は、連立した2次方程式が重解をもつこと。まず \(y\) を消します。
\[a(x-b)^{2}=-4x+4\]
\[ax^{2}-2(ab-2)x+ab^{2}-4=0\quad\cdots\cdots ①\]
\(a\neq 0\) なので①は2次方程式。判別式を \(D\) として \(D=0\)。
\[\frac{D}{4}=(ab-2)^{2}-a(ab^{2}-4)=0\]
展開すると \(a^{2}b^{2}\) が消えて、ぐっと軽くなります。
\[a^{2}b^{2}-4ab+4-a^{2}b^{2}+4a=0\quad\Longrightarrow\quad -4ab+4a+4=0\]
\[b=1+\frac{1}{a}\]
ここで手が止まる人は、\((ab-2)^{2}\) を展開してから \(-a(ab^{2}-4)\) を足すところで 4次の項が消えるのを見逃しています。消える項があるときは、だいたいそこが設計です。
(2) 軸の位置を先に押さえる
(1) より
\[f(x)=a\left\{x-\left(1+\frac{1}{a}\right)\right\}^{2}\]
つまり軸は \(x=1+\dfrac{1}{a}\)。\(a>0\) だから \(\dfrac{1}{a}>0\)、したがって
\[\text{軸}=1+\frac{1}{a}>1\]
これが効きます。範囲 \(0\le x\le 2\) のまん中は \(x=1\)。 軸がそれより右にあるのだから、軸から遠いのはいつでも左端 \(x=0\) です。
最大値 \(M(a)\) ― 場合分けは要らない
\[M(a)=f(0)=a\left(0-1-\frac{1}{a}\right)^{2}=a\cdot\frac{(a+1)^{2}}{a^{2}}\]
\[M(a)=\frac{(a+1)^{2}}{a}\]
最小値 \(m(a)\) ― 軸が範囲に入るかどうか
| 軸の位置 | \(a\) の範囲 | 最小になる \(x\) | \(m(a)\) |
|---|---|---|---|
| \(1+\dfrac{1}{a}\le 2\)(範囲の中) | \(a\ge 1\) | 軸 \(x=1+\dfrac{1}{a}\) | \(0\) |
| \(1+\dfrac{1}{a}>2\)(範囲の右外) | \(0 | 右端 \(x=2\) | \(\dfrac{(a-1)^{2}}{a}\) |
境目の条件は \(1+\dfrac{1}{a}\le 2\ \Longleftrightarrow\ \dfrac{1}{a}\le 1\ \Longleftrightarrow\ a\ge 1\)(\(a>0\) なので不等号の向きはそのまま)。
\(0
\[m(a)=f(2)=a\left(2-1-\frac{1}{a}\right)^{2}=a\left(1-\frac{1}{a}\right)^{2}=\frac{(a-1)^{2}}{a}\]
\[M(a)=\frac{(a+1)^{2}}{a},\qquad
m(a)=\begin{cases}\dfrac{(a-1)^{2}}{a} & (0
\(M(a)\) をばらします。ここで展開して割るのがコツ。 \[M(a)=\frac{(a+1)^{2}}{a}=\frac{a^{2}+2a+1}{a}=a+\frac{1}{a}+2\]
\(a>0\) なので、相加平均と相乗平均の関係から \[a+\frac{1}{a}\ \ge\ 2\sqrt{a\cdot\frac{1}{a}}=2\]
\[\therefore\quad M(a)\ge 4\]
等号成立を書かないと、最小値とは言えません。
等号は \(a=\dfrac{1}{a}\) すなわち \(a^{2}=1\)、\(a>0\) より \(a=1\) のとき。
このとき確かに \(M(1)=4\) なので、最小値は \(4\) です。 \(M(a)\) の最小値は \(\ 4\ \)(\(a=1\) のとき)(3) 逆数の和がでたら相加相乗
つまずきポイント
要点まとめ
