共テ数学ⅡBC 第6回【難問ポイント】連立漸化式・密度関数・係数の和・12乗根、差がつく4か所 ― 第4〜7問ダイジェスト

第6回(第4〜7問)のうち、差がつく4か所だけを短い動画にまとめました。 各問の全体の解説は、下のリンク先の記事にあります。

解説動画(音声つき)

第6回(第4〜7問)のうち、定番の計算ではなく式の見方・言いかえで差がつく4か所だけを集めました。 解き終わったあとの見直しや、試験直前の確認に使ってください。

この記事で扱う4か所

① 第4問(3) 連立漸化式は和と差で2本に分け、積の大小は共通の項を除いて比べる(ク〜テ)

② 第5問(2) 確率密度関数の \(a,\ b\) を全体の積分と平均の積分で決め、割合を面積で出す(カ〜ソ)

③ 第6問 平面上の点は係数の和が1。係数の和に注目して \(k\) を一行で出し、垂線の足は重心(コ〜タ)

④ 第7問〔2〕 \(z_k^{\,m}=z_k\) を偏角で言いかえる(カ〜ケ)

第4問(1)(2) の等比数列、第5問(1) の信頼区間の幅、第6問の内積から \(s,\ t,\ u\) を出すところ、第7問〔1〕の極方程式は定番の処理なので、ここでは省きます。

① 連立漸化式は和と差で(第4問・ク〜テ)

\(c_{n+1}=3c_n+2d_n-2\)、\(d_{n+1}=2c_n+3d_n-2\) を足すと、\(c_n,\ d_n\) の係数がどちらも5になります。定数も2つ分足して \(-4\) です。

\[A_{n+1}=5A_n-4\]

\[A_{n+1}-1=5(A_n-1),\quad A_1-1=4\]

\[A_n=4\times5^{n-1}+1\]

(ク=5、ケ=4、コ=4、サ=5、シ=⓪、ス=1)

引くと定数が消えて \(B_{n+1}=B_n\)、つまり \(B_n=B_1=1\)(セ=1)。和と差を足して2で割ると

\[c_n=\frac{A_n+B_n}{2}=2\times5^{n-1}+1\]

(ソ=2、タ=5、チ=⓪、ツ=1)

\(d_n=2\times5^{n-1}\)。積を展開すると、どちらにも \(4\cdot15^{n-1}\) が出てきます。

\[a_nc_n=4\cdot15^{n-1}+2\cdot3^{n-1}\]

\[b_nd_n=4\cdot15^{n-1}+2\cdot5^{n-1}\]

共通の項を除いて残りだけを比べると

\[b_nd_n-a_nc_n=2\left(5^{n-1}-3^{n-1}\right)\]

\(n\ge2\) で正なので \(b_nd_n\) の方が大きい(テ=①)

② 確率密度関数は条件2つで(第5問・カ〜ソ)

\(f(x)=ax+b\)(\(1\le x\le11\))。条件は全体の確率が1と平均が4.5の2つです。

\[\int_1^{11}(ax+b)\,dx=60a+10b=1\]

平均は \(f(x)\) の積分ではなく、\(x f(x)\) の積分です。

\[\int_1^{11}x(ax+b)\,dx\]

\[=\frac{1330}{3}a+60b=4.5\]

1つ目から \(60b=6-360a\) を入れて \(\dfrac{250}{3}a=-1.5\)。

\[a=-0.018,\quad b=0.208\]

(オ=1、カキ=60、クケ=10、コサ=18、シスセ=208)

1234567891011102030f(x) × 200(度数に換算)f(x) = −0.018x + 0.2085 分以上:約 38%分
ヒストグラムと f(x)(度数に換算して重ねた)。黄色が 5 分以上

5分以上の割合は、5から11までの面積です。

\[\int_5^{11}f(x)\,dx\]

\[=-0.018\times48+6\times0.208=0.384\]

約 38%(ソ=③)

③ 係数の和で k、垂線の足は重心(第6問・コ〜タ)

\(s=t=\dfrac12\)、\(\angle\mathrm{COP}\) が鈍角なので \(u=-\dfrac{\sqrt2}{2}\)。平面 \(\alpha\) 上の点 \(\mathrm{A'}\) は

\[\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r},\quad x+y+z=1\]

\(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) の係数は、どれも \(s,\ t,\ u\) の並べかえです。\(\vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}\) の係数を全部足すと、係数の和どうしの積になります。

\[k+0+0=(x+y+z)(s+t+u)\]

\[k=s+t+u=\frac{2-\sqrt2}{2}\]

(コ=2、サ=2、シ=2)

連立方程式を正面から解く必要はありません。同じ理由で \(\mathrm{OB'}=\mathrm{OC'}=k\) です。

ABCPQRA′B′C′OH = G(1, 1, 1) 方向から見た図PB′QC′RA′ は平面 α の上の六角形OA′ = OB′ = OC′= (2 − √2)/2垂線の足 H は△A′B′C′ の重心
(1, 1, 1) の方向から見た図。垂線の足 H は △A′B′C′ の重心

\(\triangle\mathrm{A'B'C'}\) の重心を G とすると

\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}=\frac{k}{3}(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\]

\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{A'B'}}=\frac{k^2}{3}\left(|\vec{b}|^2-|\vec{a}|^2\right)=0\]

(ス=0)。\(\mathrm{A'C'}\) とも垂直なので、垂線の足 H は G と一致します。

\[\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\frac{2-\sqrt2}{6}(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\]

(セ=2、ソ=2、タ=6)

④ zₖᵐ=zₖ は偏角で言いかえる(第7問・カ〜ケ)

\(z_k\ne0\) なので、両辺を \(z_k\) で割れます。

\[z_k^{\,m}=z_k\iff z_k^{\,m-1}=1\]

\(\arg z_k=\dfrac{k}{6}\pi\) なので、\((m-1)k\) が12の倍数になることです。「\(z_k^{\,m}=1\)」と読むと全部ずれます。

  • \(k=2\):\(2(m-1)\) が12の倍数 → \(m-1=6\)、\(M=7\)(カ=7)
  • \(M=3\):\(2k\) が12の倍数 → \(k=6\)(キ=6)
z₀z₁z₂z₃z₄z₅z₆z₇z₈z₉z₁₀z₁₁zₖ の偏角 kπ/6、zₖᵐ = zₖ ⇔ zₖᵐ⁻¹ = 1M − 1 = 12 ÷ (k と 12 の最大公約数)k = 1 → M = 13k = 2 → M = 7k = 6 → M = 3k = 3, 9 → 4 点で正方形
1 の12乗根。k = 3 のとき z₃、z₃²、z₃³、z₃⁴ は z₃、z₆、z₉、z₀ で正方形

正方形は点が4つ、つまり最小の \(m-1\) が4のときです。\(4k\) が12の倍数で、\(2k\) は12の倍数でない \(k\) です。

\(k=3,\ 9\)(ク=3、ケ=9)

要点まとめ

  1. 連立漸化式は和と差。和では定数も2つ分。積の大小は共通の項を除いて比べる。
  2. 確率密度関数は「全体の積分=1」と「平均=\(\int x f(x)\,dx\)」で \(a,\ b\)。割合は面積。
  3. 平面上の点は係数の和が1。係数の和に注目すると \(k=s+t+u\)、垂線の足は重心。
  4. \(z_k^{\,m}=z_k\iff z_k^{\,m-1}=1\)、つまり \((m-1)k\) が12の倍数。

各問の詳しい解説

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