
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
「接する」という条件は、相手によって式の書き方が変わります。 放物線と直線なら判別式、円と直線なら中心からの距離。 この使い分けができれば、あとは連立するだけです。
この回で扱う問題(成城大)
直線 \(\ell:y=px+q\) が、放物線 \(y=x^{2}\) と円 \(C:x^{2}+(y+1)^{2}=1\) の両方に接している。 ただし \(p>0\) とする。
(1) \(p\) と \(q\) を求めよ。
(2) 放物線 \(y=x^{2}\) と円 \(C\) の両方に接する直線は、\(\ell\) と \(x\) 軸以外にもう1本存在する。 この直線を \(m\) とするとき、直線 \(\ell\)、直線 \(m\) の上側に中心があって、 \(\ell\)、\(m\)、\(C\) のすべてと接する2つの円について、中心の座標をそれぞれ求めよ。
「接する」の2つの書き方
| 相手 | 接する条件 |
|---|---|
| 放物線と直線 | 連立して \(y\) を消し、2次方程式の判別式 \(D=0\) |
| 円と直線 | 中心と直線の距離 = 半径 |
円のほうを判別式でやると計算が重くなります。円は距離、と覚えてください。
(1) 2つの条件を連立する
放物線との接触 ― 判別式
\(y=x^{2}\) と \(y=px+q\) から \(y\) を消して
\[x^{2}-px-q=0,\qquad D=p^{2}+4q=0\quad\Longrightarrow\quad p^{2}=-4q\ \cdots\text{①}\]
円との接触 ― 中心と直線の距離
\(C\) の中心は \((0,-1)\)、半径は \(1\)。直線を \(px-y+q=0\) と書いて
\[\frac{|p\cdot 0-(-1)+q|}{\sqrt{p^{2}+1}}=1 \quad\Longrightarrow\quad |q+1|=\sqrt{p^{2}+1}\]
両辺とも \(0\) 以上なので2乗して \((q+1)^{2}=p^{2}+1\)、つまり \(q^{2}+2q=p^{2}\)。
連立して解く
①を代入すると \(q^{2}+2q=-4q\)、すなわち \(q(q+6)=0\) なので \(q=0,\ -6\)。
- \(q=0\) → ①より \(p=0\)。これは \(p>0\) に反するので不適。
- \(q=-6\) → ①より \(p^{2}=24\)、\(p=\pm 2\sqrt{6}\)。\(p>0\) だから \(p=2\sqrt{6}\)。
\[p=2\sqrt{6},\qquad q=-6\]
(\(q=0\) は \(x\) 軸そのもの。問題文が「\(\ell\) と \(x\) 軸以外に」と言っているのは、この解のことです。)
(2) 対称性を先に使う
放物線 \(y=x^{2}\) も円 \(C\) も \(y\) 軸について対称です。だから
直線 \(m\) は \(\ell:y=2\sqrt{6}\,x-6\) を \(y\) 軸で折り返したもの、
すなわち \(y=-2\sqrt{6}\,x-6\)。
そして \(\ell\) と \(m\) の両方に接する円の中心は \(y\) 軸上にある。
中心が \((0,t)\) と分かれば、未知数は半径と \(t\) の2つだけ。 しかも「\(C\) に接する」から半径と \(t\) が結びつくので、実質未知数1つになります。
上側の円 \(C_{1}\)
\(C\) は原点で \(x\) 軸に接しています。\(C_{1}\) は原点で \(C\) と外接するので、 半径を \(r_{1}\) とすると中心は \((0,\ r_{1})\)。
\(\ell:2\sqrt{6}\,x-y-6=0\) との距離が \(r_{1}\) なので
\[\frac{|-r_{1}-6|}{\sqrt{(2\sqrt{6})^{2}+(-1)^{2}}}=r_{1} \quad\Longrightarrow\quad \frac{r_{1}+6}{5}=r_{1}\]
(分母は \(\sqrt{24+1}=5\)。\(r_{1}>0\) より \(r_{1}+6>0\) なので絶対値はそのまま外れます。)
\[r_{1}+6=5r_{1}\quad\Longrightarrow\quad r_{1}=\frac{3}{2}\]
下側の円 \(C_{2}\)
\(C\) の一番下の点は \((0,-2)\)。ここで \(C\) と外接するので、 半径を \(r_{2}\) とすると中心は \((0,\ -2-r_{2})\)。同じく \(\ell\) との距離が \(r_{2}\) で
\[\frac{|(2+r_{2})-6|}{5}=r_{2}\quad\Longrightarrow\quad |r_{2}-4|=5r_{2}\]
\(C_{2}\) は \(C\) の内側に近いところにある小さい円で \(r_{2}<1<4\) なので \(r_{2}-4<0\)。よって
\[4-r_{2}=5r_{2}\quad\Longrightarrow\quad r_{2}=\frac{2}{3}\]
\[\left(0,\ \frac{3}{2}\right),\qquad \left(0,\ -\frac{8}{3}\right)\]
つまずきポイント
- 円と直線も判別式でやろうとする。 できますが式が重くなります。円は「中心と直線の距離=半径」。
- 絶対値をはずすときの場合分けを飛ばす。 \(|r_{2}-4|=5r_{2}\) を \(r_{2}-4=5r_{2}\) としてしまうと \(r_{2}=-1\) という無意味な答えが出ます。 中身の符号を先に決めるのが鉄則です。
- 対称性を使わずに中心を \((s,t)\) と置く。 未知数が1つ増えて、式が一気に重くなります。図の対称性は計算を始める前に使ってください。
- \(p>0\) の条件を使い忘れる。 \(p=\pm 2\sqrt{6}\) のうち片方だけが答えです。
要点まとめ
- 接する条件:放物線と直線は判別式 \(D=0\)、円と直線は中心と直線の距離=半径。
- 図に対称性があれば、座標を置く前に使って未知数を減らす。
- 外接する2円は接点を通る直線上に中心が並ぶ。中心の座標が半径だけで書ける。
- 絶対値をはずすときは中身の符号を根拠つきで決める。
