共テ数学ⅡBC 第6回【第6問】内積で係数を読み、係数の和が 1 で平面との交点を出す ― 空間ベクトル

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

\(\vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}\) が互いに垂直な単位ベクトルなら、\(\vec{p}=s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c}\) の係数は内積 \(\vec{a}\cdot\vec{p}\) などでそのまま読めます。 平面 \(\alpha\) と直線の交点は「係数の和が 1」で求め、垂線の足は内積が 0 になる点を探します。

この回で扱う問題

\(|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|=1\)、\(\angle\mathrm{AOB}=\angle\mathrm{BOC}=\angle\mathrm{COA}=90^\circ\)。点 P は \(|\vec{p}|=1\)、\(\angle\mathrm{AOP}=\angle\mathrm{BOP}=60^\circ\)、\(90^\circ\lt \angle\mathrm{COP}\lt 180^\circ\)。

\(\vec{p}=s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c}\) とおいて \(s,\ t,\ u\) を求めよ。\(\vec{q}=u\vec{a}+s\vec{b}+t\vec{c}\)、\(\vec{r}=t\vec{a}+u\vec{b}+s\vec{c}\) とし、3点 P、Q、R を通る平面 \(\alpha\) と直線 OA、OB、OC の交点を A′、B′、C′ とする。\(\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=k\vec{a}\) の \(k\) を求めよ。

さらに、O から \(\alpha\) に下ろした垂線の足 H について、\(\overrightarrow{\mathrm{OH}}\) を \(\vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}\) で表せ。

方針 ― 内積で係数、和が 1 で平面

  • \(\vec{a}\cdot\vec{p}\) を計算すると、\(\vec{a}\) の係数 \(s\) だけが残る。
  • 平面 PQR 上の点は \(x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r}\)(\(x+y+z=1\))。
  • \(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) はどれも係数の和が同じ。これを使うと \(k\) がすぐ出る。
  • OG が平面内の2つのベクトルと垂直なら、G が垂線の足。

内積から s, t, u を読む(ア〜ク)

互いに垂直なので \(\vec{a}\cdot\vec{b}=\vec{b}\cdot\vec{c}=\vec{c}\cdot\vec{a}=0\)(ア=0)。

\(|\vec{a}|=|\vec{p}|=1\)、なす角 \(60^\circ\) なので

\[\vec{a}\cdot\vec{p}=\vec{b}\cdot\vec{p}=\cos60^\circ=\frac{1}{2}\]

(イ=1、ウ=2)。一方、\(\vec{a}\cdot\vec{p}=s\)、\(\vec{b}\cdot\vec{p}=t\) なので

\[s=t=\frac{1}{2}\]

(エ=1、オ=2)

\(|\vec{p}|^2=s^2+t^2+u^2=1\) から \(u^2=\dfrac{1}{2}\)。\(\vec{c}\cdot\vec{p}=u=\cos\angle\mathrm{COP}\lt 0\) なので

\[u=-\frac{\sqrt{2}}{2}\]

(カ√キ/ク=−√2/2)

平面 α 上の点(ケ)

\(\overrightarrow{\mathrm{RA'}}=x\overrightarrow{\mathrm{RP}}+y\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\) を始点 O で書き直すと

\[\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=x\vec{p}+y\vec{q}+(1-x-y)\vec{r}\]

\(z=1-x-y\) とおけば

\[\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r},\quad x+y+z=1\]

(ケ=1)

交点 A′ の k(コ〜シ)

\(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) は、どれも係数が \(s,\ t,\ u\) の並べかえなので、係数の和はどれも \(s+t+u=1-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)。

\(x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r}\) の係数の和は

\[(x+y+z)(s+t+u)=1-\frac{\sqrt{2}}{2}\]

これが \(k\vec{a}\)(係数の和は \(k\))と一致するので

\[k=\frac{2-\sqrt{2}}{2}\]

(コ=2、サ=2、シ=2)

(\(\vec{b},\ \vec{c}\) の係数が 0 になる条件を連立して \(x=z=\sqrt{2}-1\) を出しても、同じ値になります。)

同じように \(\overrightarrow{\mathrm{OB'}}=k\vec{b}\)、\(\overrightarrow{\mathrm{OC'}}=k\vec{c}\) です。

垂線の足 H(ス〜タ)

ABCPQRA′B′C′OH = G(1, 1, 1) 方向から見た図PB′QC′RA′ は平面 α の上の六角形OA′ = OB′ = OC′= (2 − √2)/2垂線の足 H は△A′B′C′ の重心
(1, 1, 1) の方向から見た図。6点を結ぶと平面 α の上の六角形になり、垂線の足 H は △A′B′C′ の重心

△A′B′C′ の重心 G は

\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}=\frac{k}{3}\left(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\right)\]

\(\overrightarrow{\mathrm{A'B'}}=k(\vec{b}-\vec{a})\) との内積は

\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{A'B'}}=\frac{k^2}{3}\left(|\vec{b}|^2-|\vec{a}|^2\right)=0\]

同様に \(\overrightarrow{\mathrm{OG}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{A'C'}}=0\)(ス=0)。OG は平面 \(\alpha\) 内の2つのベクトルと垂直で、G は \(\alpha\) 上の点なので、H=G です。

\[\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\frac{2-\sqrt{2}}{6}\left(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\right)\]

(セ=2、ソ=2、タ=6)

つまずきポイント

  1. \(u\) の符号を決めない。 \(\angle\mathrm{COP}\) が鈍角なので \(\vec{c}\cdot\vec{p}=u\lt 0\)。
  2. 平面上の点の条件を忘れる。 3点で決まる平面上の点は、係数の和が 1。
  3. 連立方程式を正面から解いて計算が重くなる。 係数の和に注目すれば \(k=1+u\) が一行で出る。
  4. 垂直を1つのベクトルだけで判断する。 平面に垂直と言うには、平面内の平行でない2つのベクトルと垂直であることが必要。

要点まとめ

  1. 互いに垂直な単位ベクトルなら、係数は内積で読める。\(s=t=\dfrac{1}{2}\)、\(u=-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)。
  2. 平面 PQR 上の点は係数の和が 1。\(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) の係数の和はどれも \(1+u\) なので \(k=\dfrac{2-\sqrt{2}}{2}\)。
  3. OG は \(\mathrm{A'B'}\)、\(\mathrm{A'C'}\) と垂直なので H=G。\(\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\dfrac{2-\sqrt{2}}{6}(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\)。
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