
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
\(\vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}\) が互いに垂直な単位ベクトルなら、\(\vec{p}=s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c}\) の係数は内積 \(\vec{a}\cdot\vec{p}\) などでそのまま読めます。 平面 \(\alpha\) と直線の交点は「係数の和が 1」で求め、垂線の足は内積が 0 になる点を探します。
この回で扱う問題
\(|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|=1\)、\(\angle\mathrm{AOB}=\angle\mathrm{BOC}=\angle\mathrm{COA}=90^\circ\)。点 P は \(|\vec{p}|=1\)、\(\angle\mathrm{AOP}=\angle\mathrm{BOP}=60^\circ\)、\(90^\circ\lt \angle\mathrm{COP}\lt 180^\circ\)。
\(\vec{p}=s\vec{a}+t\vec{b}+u\vec{c}\) とおいて \(s,\ t,\ u\) を求めよ。\(\vec{q}=u\vec{a}+s\vec{b}+t\vec{c}\)、\(\vec{r}=t\vec{a}+u\vec{b}+s\vec{c}\) とし、3点 P、Q、R を通る平面 \(\alpha\) と直線 OA、OB、OC の交点を A′、B′、C′ とする。\(\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=k\vec{a}\) の \(k\) を求めよ。
さらに、O から \(\alpha\) に下ろした垂線の足 H について、\(\overrightarrow{\mathrm{OH}}\) を \(\vec{a},\ \vec{b},\ \vec{c}\) で表せ。
方針 ― 内積で係数、和が 1 で平面
- \(\vec{a}\cdot\vec{p}\) を計算すると、\(\vec{a}\) の係数 \(s\) だけが残る。
- 平面 PQR 上の点は \(x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r}\)(\(x+y+z=1\))。
- \(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) はどれも係数の和が同じ。これを使うと \(k\) がすぐ出る。
- OG が平面内の2つのベクトルと垂直なら、G が垂線の足。
内積から s, t, u を読む(ア〜ク)
互いに垂直なので \(\vec{a}\cdot\vec{b}=\vec{b}\cdot\vec{c}=\vec{c}\cdot\vec{a}=0\)(ア=0)。
\(|\vec{a}|=|\vec{p}|=1\)、なす角 \(60^\circ\) なので
\[\vec{a}\cdot\vec{p}=\vec{b}\cdot\vec{p}=\cos60^\circ=\frac{1}{2}\]
(イ=1、ウ=2)。一方、\(\vec{a}\cdot\vec{p}=s\)、\(\vec{b}\cdot\vec{p}=t\) なので
\[s=t=\frac{1}{2}\]
(エ=1、オ=2)
\(|\vec{p}|^2=s^2+t^2+u^2=1\) から \(u^2=\dfrac{1}{2}\)。\(\vec{c}\cdot\vec{p}=u=\cos\angle\mathrm{COP}\lt 0\) なので
\[u=-\frac{\sqrt{2}}{2}\]
(カ√キ/ク=−√2/2)
平面 α 上の点(ケ)
\(\overrightarrow{\mathrm{RA'}}=x\overrightarrow{\mathrm{RP}}+y\overrightarrow{\mathrm{RQ}}\) を始点 O で書き直すと
\[\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=x\vec{p}+y\vec{q}+(1-x-y)\vec{r}\]
\(z=1-x-y\) とおけば
\[\overrightarrow{\mathrm{OA'}}=x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r},\quad x+y+z=1\]
(ケ=1)
交点 A′ の k(コ〜シ)
\(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) は、どれも係数が \(s,\ t,\ u\) の並べかえなので、係数の和はどれも \(s+t+u=1-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)。
\(x\vec{p}+y\vec{q}+z\vec{r}\) の係数の和は
\[(x+y+z)(s+t+u)=1-\frac{\sqrt{2}}{2}\]
これが \(k\vec{a}\)(係数の和は \(k\))と一致するので
\[k=\frac{2-\sqrt{2}}{2}\]
(コ=2、サ=2、シ=2)
(\(\vec{b},\ \vec{c}\) の係数が 0 になる条件を連立して \(x=z=\sqrt{2}-1\) を出しても、同じ値になります。)
同じように \(\overrightarrow{\mathrm{OB'}}=k\vec{b}\)、\(\overrightarrow{\mathrm{OC'}}=k\vec{c}\) です。
垂線の足 H(ス〜タ)
△A′B′C′ の重心 G は
\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}=\frac{k}{3}\left(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\right)\]
\(\overrightarrow{\mathrm{A'B'}}=k(\vec{b}-\vec{a})\) との内積は
\[\overrightarrow{\mathrm{OG}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{A'B'}}=\frac{k^2}{3}\left(|\vec{b}|^2-|\vec{a}|^2\right)=0\]
同様に \(\overrightarrow{\mathrm{OG}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{A'C'}}=0\)(ス=0)。OG は平面 \(\alpha\) 内の2つのベクトルと垂直で、G は \(\alpha\) 上の点なので、H=G です。
\[\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\frac{2-\sqrt{2}}{6}\left(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}\right)\]
(セ=2、ソ=2、タ=6)
つまずきポイント
- \(u\) の符号を決めない。 \(\angle\mathrm{COP}\) が鈍角なので \(\vec{c}\cdot\vec{p}=u\lt 0\)。
- 平面上の点の条件を忘れる。 3点で決まる平面上の点は、係数の和が 1。
- 連立方程式を正面から解いて計算が重くなる。 係数の和に注目すれば \(k=1+u\) が一行で出る。
- 垂直を1つのベクトルだけで判断する。 平面に垂直と言うには、平面内の平行でない2つのベクトルと垂直であることが必要。
要点まとめ
- 互いに垂直な単位ベクトルなら、係数は内積で読める。\(s=t=\dfrac{1}{2}\)、\(u=-\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)。
- 平面 PQR 上の点は係数の和が 1。\(\vec{p},\ \vec{q},\ \vec{r}\) の係数の和はどれも \(1+u\) なので \(k=\dfrac{2-\sqrt{2}}{2}\)。
- OG は \(\mathrm{A'B'}\)、\(\mathrm{A'C'}\) と垂直なので H=G。\(\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\dfrac{2-\sqrt{2}}{6}(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\)。