
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
点 \(z\) が動く図形がわかっていて、\(w\) の描く図形を求める問題です。流れは 「\(z=(w\text{ の式})\) をつくる → \(z\) の条件に代入する」。 \(z\) が虚軸上にある条件は \(z=-\overline{z}\)。共役をとった式を整理すると \(w\overline{w}=1\)、つまり単位円が出てきます。除外点も忘れずに。
この回で扱う問題
\(z\ne1\) である複素数 \(z\) に対して、\(w=\dfrac{z+1}{1-z}\) とする。点 \(z\) が複素数平面の虚軸上を動くとき、次の問いに答えよ。
(1) \(w\) が描く図形を複素数平面上に図示せよ。
(2) \(|w+i+1|\) の最大値と最小値を求めよ。
(静岡大)
方針
- \(w=\dfrac{z+1}{1-z}\) を \(z\) について解き、\(z=(w\text{ の式})\) をつくる。
- 虚軸上 ⇔ \(z=-\overline{z}\)(実部が 0)。ここに代入する。
- (2) は \(|w-(-1-i)|\) と見て、点 \(-1-i\) との距離にする。
(1) z を w で表す
\(w=\dfrac{z+1}{1-z}\) の両辺に \(1-z\) をかけて
\[w(1-z)=z+1\]
\[(w+1)z=w-1\]
\(w=-1\) とすると左辺は 0、右辺は \(-2\) で成り立たないので、\(w\ne-1\)。両辺を \(w+1\) で割って
\[z=\frac{w-1}{w+1}\]
(1) z = −z̄ に代入する
点 \(z\) は虚軸上を動くので \(z=-\overline{z}\)。
\[\frac{w-1}{w+1}=-\overline{\left(\frac{w-1}{w+1}\right)}=-\frac{\overline{w}-1}{\overline{w}+1}\]
両辺に \((w+1)(\overline{w}+1)\) をかけて
\[(w-1)(\overline{w}+1)=-(\overline{w}-1)(w+1)\]
\[w\overline{w}+w-\overline{w}-1=-w\overline{w}+w-\overline{w}+1\]
\[2w\overline{w}=2\]
\(w\overline{w}=|w|^2=1\) より \(|w|=1\)。これと \(w\ne-1\) から
\(w\) は原点中心、半径 1 の円。ただし点 \(-1\) を除く
(2) 点 −1−i との距離
\(|w+i+1|=|w-(-1-i)|\) は、点 \(w\) と点 \(\mathrm{A}(-1-i)\) の距離です。
\(\mathrm{AO}=|-1-i|=\sqrt2\)。直線 OA と円の交点を B、C(図)とすると、距離が最大になるのは B、最小になるのは C のとき(どちらも除外点 \(-1\) ではない)。
最大値 \(\sqrt2+1\)、最小値 \(\sqrt2-1\)
つまずきポイント
- 虚軸上の条件を「実部 = 0」で書こうとして計算が重くなる。 \(z=-\overline{z}\) を使えば、共役をとって分母をはらうだけ。
- 除外点を忘れる。 \(w+1\) で割るときに \(w\ne-1\) を確かめる。図では白丸。
- (2) で \(w=x+yi\) とおいて計算する。 絶対値は距離。点 \(-1-i\) から円までの最短・最長は、中心を通る直線上。
要点まとめ
- \(w\) の図形は「\(z=(w\text{ の式})\) をつくる → \(z\) の条件に代入」。
- \(z\) が虚軸上 \(\iff z=-\overline{z}\)。整理すると \(w\overline{w}=1\)、単位円。
- 割る前に「0 にならないか」を確かめ、除外点(\(w\ne-1\))を図に残す。
- \(|w-a|\) は点 \(a\) との距離。円との最大・最小は中心を通る直線で \(\sqrt2\pm1\)。
