共テ数学ⅡBC 第9回【第3問】接線との差は (x−5a)² でくくり、F′(t) の符号で最小を求める ― 微分法・積分法

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

接点 \(x=5a\) で接する曲線と接線の差は、必ず \((x-5a)^2\) でくくれます。 これを使うと、\(C_1\)・\(C_2\)・\(\ell\) の上下関係がすぐにわかり、面積の差 \(F(t)\) も微分して符号を見るだけで最小値が求まります。

この回で扱う問題

\(f(x)=\dfrac13x^2-\dfrac23ax\)(\(a\gt 1\) の定数)とし、放物線 \(C_1:\ y=f(x)\) 上の点 \(A(5a,\ 5a^2)\) における接線を \(\ell\) とする。

\(f'(5a)=\dfrac{\fbox{ア}}{\fbox{イ}}a\)、\(\ell:\ y=\dfrac{\fbox{ウ}}{\fbox{エ}}ax-\dfrac{\fbox{オカ}}{\fbox{キ}}a^2\)。

\(g(x)=x^3+px^2+qx\) とし、曲線 \(C_2:\ y=g(x)\) は点 A で \(\ell\) と接する。このとき クケ\(a^2+\)コ\(ap+q=a\) かつ サシ\(a^2+\)スセ\(ap+q=\dfrac{\fbox{ソ}}{\fbox{タ}}a\)、\(p=-\)チツ\(a+\dfrac{\fbox{テ}}{\fbox{ト}}\)、\(q=\)ナニ\(a^2-\dfrac{\fbox{ヌ}}{\fbox{ネ}}a\)。

\(0\lt t\lt 5a\) とし、\(C_1\)・\(C_2\)・直線 \(x=t\) で囲まれた部分(\(0\le x\le t\))の面積を \(S_1\)、\(C_1\)・\(\ell\)・\(y\) 軸・直線 \(x=t\) で囲まれた部分の面積を \(S_2\) とする。\(S_1=\displaystyle\int_0^t\)(ノ)\(dx\)。

直線 \(x=t\) と \(C_1\)、\(C_2\)、\(\ell\) の交点を P、Q、R とし、\(F(t)=S_1-S_2\) とすると \(F'(t)=\)(ハ)、\(F(t)\) は \(t=\dfrac{\fbox{ヒ}}{\fbox{フ}}\) で最小。

方針 ― 接点の (x − 5a)² でくくる

  • \(x=5a\) で接する2つのグラフの差は、\((x-5a)^2\) を因数にもつ。
  • \(g\) が \(\ell\) と A で接する ⇔ \(g(5a)=5a^2\) かつ \(g'(5a)=f'(5a)\)。
  • \(F(t)=\displaystyle\int_0^t\) の形なら、\(F'(t)\) は中身に \(t\) を入れたもの。

接線 ℓ(ア〜キ)

\(f'(x)=\dfrac23x-\dfrac23a\) より

\[f'(5a)=\frac{10}{3}a-\frac23a=\frac83a\]

\(f(5a)=\dfrac{25}{3}a^2-\dfrac{10}{3}a^2=5a^2\)。接線は

\[y=\frac83a(x-5a)+5a^2=\frac83ax-\frac{25}{3}a^2\]

(ア=8、イ=3)、(ウ=8、エ=3、オカ=25、キ=3)

C₂ が A で ℓ に接する条件(クケ〜ネ)

\(g(5a)=5a^2\):\(125a^3+25a^2p+5aq=5a^2\)。両辺を \(5a\) で割って

\[25a^2+5ap+q=a\]

\(g'(x)=3x^2+2px+q\)、\(g'(5a)=\dfrac83a\) より

\[75a^2+10ap+q=\frac83a\]

下の式から上の式を引くと \(50a^2+5ap=\dfrac53a\)。\(5a\) で割って \(10a+p=\dfrac13\)。

\[p=-10a+\frac13\]

\[q=a-25a^2-5ap=25a^2-\frac23a\]

(クケ=25、コ=5)、(サシ=75、スセ=10、ソ=8、タ=3)、(チツ=10、テ=1、ト=3)、(ナニ=25、ヌ=2、ネ=3)

3つのグラフの上下関係と S₁(ノ)

どれも \(x=5a\) で接するので、差は \((x-5a)^2\) でくくれます。

\[f(x)-\ell(x)=\frac13(x-5a)^2\]

\[g(x)-\ell(x)=(x-5a)^2\left(x+\frac13\right)\]

(\(g-\ell\) は \(x^3\) の係数が1、定数項が \(\dfrac{25}{3}a^2\) なので、残りの因数は \(x+\dfrac13\)。)2式を引くと

\[g(x)-f(x)=x(x-5a)^2\]

\(0\le x\le t\) ではこれは 0 以上です。

よって \(0\le x\le t\) では \(g\ge f\ge \ell\)。\(C_2\) が上、\(C_1\) が下です。

\[S_1=\int_0^t\{g(x)-f(x)\}\,dx\]

xyOQPRx = tS₁S₂C₂C₁ℓg − f = x(x − 5a)² ≧ 0f − ℓ = (1/3)(x − 5a)² ≧ 0S₁ = ∫₀ᵗ (g − f) dxS₂ = ∫₀ᵗ (f − ℓ) dxF′(t) = PQ − PR(a = 1.2 の例。縦は縮めてある)
上から C₂、C₁、ℓ の順。S₁ は C₂ と C₁ の間、S₂ は C₁ と ℓ の間(a = 1.2 の例、縦は縮めてある)

(ノ=②)

F′(t) と最小値(ハ・ヒ・フ)

\[F(t)=S_1-S_2\]

\[=\int_0^t\{g(x)-f(x)\}\,dx\]

\[\quad-\int_0^t\{f(x)-\ell(x)\}\,dx\]

微分すると、中身に \(t\) を入れたものになります。

\[F'(t)=\{g(t)-f(t)\}-\{f(t)-\ell(t)\}\]

\[=PQ-PR\]

上の因数分解を使うと

\[F'(t)=t(t-5a)^2-\frac13(t-5a)^2\]

\[=(t-5a)^2\left(t-\frac13\right)\]

\(0\lt t\lt 5a\) で \((t-5a)^2\gt 0\) なので、符号は \(t-\dfrac13\) で決まります。\(a\gt 1\) より \(\dfrac13\lt 5a\)。\(t=\dfrac13\) の前後で \(F'(t)\) は負から正に変わるので、ここで最小です。

\(F'(t)=PQ-PR\)(ハ=③)、\(t=\dfrac13\) で最小(ヒ=1、フ=3)

つまずきポイント

  1. 接する条件を \(g(5a)=5a^2\) だけにする。 傾き \(g'(5a)=\dfrac83a\) も必要。
  2. \(C_1\) と \(C_2\) の上下を図の印象で決める。 \(g-f=x(x-5a)^2\ge 0\) で確かめる。
  3. \(F(t)\) を積分してから微分する。 \(\int_0^t\) の微分は中身に \(t\) を入れるだけ。

要点まとめ

  1. \(f'(5a)=\dfrac83a\)、\(\ell:\ y=\dfrac83ax-\dfrac{25}{3}a^2\)。
  2. \(p=-10a+\dfrac13\)、\(q=25a^2-\dfrac23a\)。差は \((x-5a)^2\) でくくれる。
  3. \(S_1=\int_0^t(g-f)dx\)、\(F'(t)=PQ-PR\)
    \(\quad=(t-5a)^2\left(t-\dfrac13\right)\)、最小は \(t=\dfrac13\)。
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