共テ数学ⅡBC 第6回【第4問】連立漸化式は和と差をとって等比数列にする ― 数列

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

\(b_{n+1}=3b_n-2\) のような漸化式は、\(\alpha=3\alpha-2\) の解 \(\alpha=1\) を引くと等比数列になります。 2つの数列がからみ合う連立漸化式は、和と差をとるとそれぞれ1つの漸化式に分かれます。 最後は、求めた一般項どうしの積を比べます。

この回で扱う問題

(1) \(a_1=2\)、\(a_{n+1}=3a_n\) のとき、一般項 \(a_n\) を求めよ。

(2) \(b_1=3\)、\(b_{n+1}=3b_n-2\) のとき、漸化式を \(b_{n+1}-\alpha=3(b_n-\alpha)\) の形に変形し、一般項 \(b_n\) を求めよ。

(3) \(c_1=3\)、\(d_1=2\)、\(c_{n+1}=3c_n+2d_n-2\)、\(d_{n+1}=2c_n+3d_n-2\) のとき、\(A_n=c_n+d_n\)、\(B_n=c_n-d_n\) とおいて \(A_n\)、\(B_n\)、\(c_n\) を求めよ。さらに、\(n\ge 2\) のとき \(a_n\times c_n\) と \(b_n\times d_n\) の大小を答えよ。

方針 ― 引いて等比、足して引いて分ける

  • \(a_{n+1}=pa_n+q\) 型は、\(\alpha=p\alpha+q\) の解を両辺から引く。
  • 連立漸化式は、和 \(c_n+d_n\) と差 \(c_n-d_n\) をとると、係数がそろって1つずつの漸化式になる。
  • \(c_n\) は \(\dfrac{A_n+B_n}{2}\) で戻す。
  • 積の大小は、展開して差をとる。

(1) 等比数列(ア)

初項 2、公比 3 の等比数列です。

\[a_n=2\times 3^{n-1}\]

(ア=⓪)

(2) 1 を引いて等比数列に(イ〜キ)

\(\alpha=3\alpha-2\) を解くと \(\alpha=1\)。漸化式から \(1=3\cdot 1-2\) を引くと

\[b_{n+1}-1=3(b_n-1)\]

(イ=1、ウ=3)

数列 \(\{b_n-1\}\) は初項 \(b_1-1=2\)(エ=2)、公比 3 の等比数列なので

\[b_n=2\times 3^{n-1}+1\]

(オ=2、カ=3、キ=⓪)

(3) 和をとる(ク〜ス)

2つの漸化式を足すと、\(c_n\) と \(d_n\) の係数がどちらも 5 になります。

\[c_{n+1}+d_{n+1}=5c_n+5d_n-4\]

\[A_{n+1}=5A_n-4\]

(ク=5、ケ=4)

\(\alpha=5\alpha-4\) から \(\alpha=1\)。\(A_{n+1}-1=5(A_n-1)\) で、初項は \(A_1-1=3+2-1=4\)。

\[A_n=4\times 5^{n-1}+1\]

(コ=4、サ=5、シ=⓪、ス=1)

(3) 差をとって cn に戻す(セ〜ツ)

2つの漸化式を引くと、\(-2\) が消えます。

\[c_{n+1}-d_{n+1}=c_n-d_n\]

つまり \(B_{n+1}=B_n\)。\(B_n\) はずっと \(B_1=3-2=1\) のままです。

\[B_n=1\]

(セ=1)

\(c_n=\dfrac{A_n+B_n}{2}\) なので

\[c_n=2\times 5^{n-1}+1\]

(ソ=2、タ=5、チ=⓪、ツ=1)

同じように \(d_n=\dfrac{A_n-B_n}{2}=2\times 5^{n-1}\) です。

積の大小(テ)

展開して比べます。

\[a_nc_n=4\cdot 15^{n-1}+2\cdot 3^{n-1}\]

\[b_nd_n=4\cdot 15^{n-1}+2\cdot 5^{n-1}\]

差は

\[b_nd_n-a_nc_n=2\left(5^{n-1}-3^{n-1}\right)\]

\(n\ge 2\) なら \(5^{n-1}\gt 3^{n-1}\) なので、差は正です。

naₙ × cₙbₙ × dₙ差1660266704391895032413,55413,7501965202,662203,7501,088差 = 2(5ⁿ⁻¹ − 3ⁿ⁻¹):n ≧ 2 で正 → bₙ × dₙ の方が大きい
aₙ × cₙ と bₙ × dₙ を n = 1〜5 で並べた表。n = 1 だけ等しく、n ≧ 2 では bₙ × dₙ の方が大きい

すべての \(n\ (\ge 2)\) で \(b_n\times d_n\) の方が大きい(テ=①)

つまずきポイント

  1. \(b_n-1\) の初項を \(b_1\) のままにする。 等比数列になるのは \(b_n-1\) なので、初項は \(b_1-1=2\)。
  2. 和の漸化式で定数を足し忘れる。 \(-2\) が2つあるので \(-4\)。差では打ち消し合って 0。
  3. \(c_n\) を \(A_n\) と取り違える。 \(c_n=\dfrac{A_n+B_n}{2}\)、\(d_n=\dfrac{A_n-B_n}{2}\) で戻す。
  4. \(n=1\) で比べて「等しい」とする。 問題は \(n\ge 2\)。差 \(2(5^{n-1}-3^{n-1})\) は \(n=1\) のときだけ 0。

要点まとめ

  1. \(b_{n+1}=3b_n-2\) は 1 を引いて \(b_{n+1}-1=3(b_n-1)\)。\(b_n=2\times 3^{n-1}+1\)。
  2. 連立漸化式は和と差。\(A_n=4\times 5^{n-1}+1\)、\(B_n=1\)、\(c_n=2\times 5^{n-1}+1\)。
  3. \(b_nd_n-a_nc_n=2(5^{n-1}-3^{n-1})\gt 0\)(\(n\ge 2\))なので、\(b_n\times d_n\) の方が大きい。
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