共テ数学ⅡBC 第6回【第7問】極方程式は cos の性質で、1 の12乗根は偏角で考える ― 平面上の曲線と複素数平面

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

極方程式 \(r=a+b\cos c\theta\) は、\(r^2=x^2+y^2\)、\(r\cos\theta=x\) で直交座標に直したり、 \(\cos\) の性質(偶関数、\(\cos(\theta+\pi)=-\cos\theta\))で曲線どうしの関係を読んだりします。 後半の 1 の12乗根は、絶対値がすべて 1 なので偏角だけを追えば十分です。

この回で扱う問題

〔1〕極方程式 \(r=a+b\cos c\theta\) …① で表される曲線を考える。(1) \(a=0,\ b=2,\ c=1\) のとき、①はどんな図形か。(2) \(a=b=c=1\) の曲線(図2)から、\(c\) だけを \(-1\) に変えると、また \(b\) だけを \(-1\) に変えると、どんな曲線になるか。

〔2〕1 の12乗根を \(z_0=1,\ z_1,\ \dots,\ z_{11}\)、偏角を \(0=\theta_0\lt \theta_1\lt \cdots\lt \theta_{11}\lt 2\pi\) とする。\(\theta_1\)、\(\theta_k\) を求めよ。\(z_k^{\,m}=z_k\) となる2以上で最小の自然数 \(m\) を \(M\) とするとき、\(k=2\) の \(M\)、\(M=3\) となる \(k\)、\(z_k,\ z_k^{\,2},\ \dots,\ z_k^{\,M-1}\) が正方形の頂点となる \(k\) を求めよ。

方針 ― 極方程式は直交座標と cos の性質、累乗は偏角

  • \(r=2\cos\theta\) は両辺に \(r\) を掛けて \(x^2+y^2=2x\)。
  • \(\cos(-\theta)=\cos\theta\)、\(\cos(\theta+\pi)=-\cos\theta\) を使う。
  • \(z_k\) の偏角は \(\dfrac{k\pi}{6}\)。\(z_k^{\,m}\) の偏角は \(m\) 倍。
  • \(z_k^{\,m}=z_k\) は \(z_k^{\,m-1}=1\) と同じ。

〔1〕(1) r = 2cosθ(ア)

両辺に \(r\) を掛けると \(r^2=2r\cos\theta\)。\(r^2=x^2+y^2\)、\(r\cos\theta=x\) なので

\[x^2+y^2=2x\]

\[(x-1)^2+y^2=1\]

点 \((1,\ 0)\) を中心とする半径 1 の円(ア=②)

〔1〕(2) c や b を −1 にする(イ・ウ)

xyOr = 2cosθ:中心 (1, 0)、半径 1 の円r = 1 + cosθ(c = ±1 で同じ)r = 1 − cosθ:π 回転
r = 2cosθ の円、r = 1 + cosθ、r = 1 − cosθ。1 − cosθ は 1 + cosθ を π 回転した曲線

\(c=-1\) のとき。 \(r=1+\cos(-\theta)=1+\cos\theta\) で、式がまったく同じです。

\(c=1\) のときと同じ曲線(イ=⓪)

\(b=-1\) のとき。 \(r=1-\cos\theta\)。もとの曲線 \(r=1+\cos\theta\) で偏角が \(\theta+\pi\) の点は

\[r=1+\cos(\theta+\pi)=1-\cos\theta\]

つまり、もとの曲線の点を原点のまわりに \(\pi\) 回すと、\(r=1-\cos\theta\) の点になります。

原点を中心に \(\pi\) だけ回転した曲線(ウ=②)

〔2〕12乗根の偏角(エ・オ)

1 の12乗根は、単位円を12等分する点です。

\[\theta_1=\frac{\pi}{6},\qquad \theta_k=\frac{k}{6}\pi\]

(エ=6、オ=①)

〔2〕M の値(カ・キ)

\(z_k\ne 0\) なので、\(z_k^{\,m}=z_k\) は \(z_k^{\,m-1}=1\) と同じです。偏角で書くと

\[(m-1)\cdot\frac{k\pi}{6}\ \text{が}\ 2\pi\ \text{の整数倍}\]

つまり \((m-1)k\) が 12 の倍数。これを満たす最小の \(m-1\) を探します。

  • \(k=1\):\(m-1=12\) で \(M=13\)(問題文の通り)。
  • \(k=2\):\(2(m-1)\) が 12 の倍数 → \(m-1=6\) で \(M=7\)(カ=7)。
  • \(M=3\):\(2k\) が 12 の倍数で、\(k\) は 12 の倍数でない → \(k=6\)(キ=6)。

\(k=6\) は \(z_6=-1\)。2乗すると 1 に戻るので、確かに \(M=3\) です。

〔2〕正方形になる k(ク・ケ)

z₀z₁z₂z₃z₄z₅z₆z₇z₈z₉z₁₀z₁₁zₖ の偏角 kπ/6、zₖᵐ = zₖ ⇔ zₖᵐ⁻¹ = 1M − 1 = 12 ÷ (k と 12 の最大公約数)k = 1 → M = 13k = 2 → M = 7k = 6 → M = 3k = 3, 9 → 4 点で正方形
1 の12乗根。k = 3 のとき z₃、z₃²、z₃³、z₃⁴ は z₃、z₆、z₉、z₀ で正方形

\(M-1\) 個の点が正方形の頂点になるのは \(M-1=4\) のとき。\(4k\) が 12 の倍数で、\(2k\) は 12 の倍数でない \(k\) を探すと

\[k=3,\ 9\]

(ク=3、ケ=9)

\(k=3\) なら \(z_3=i\) で、累乗は \(i,\ -1,\ -i,\ 1\)。\(k=9\) なら \(z_9=-i\) で、同じ4点を逆回りにたどります。

つまずきポイント

  1. \(r=2\cos\theta\) を原点中心の円と思う。 \(r\) が \(\theta\) で変わるので、中心は \((1,\ 0)\)。
  2. \(b\) を \(-1\) にすると上下や左右に「反転」すると考える。 \(1-\cos\theta=1+\cos(\theta+\pi)\) なので、\(\pi\) 回転。
  3. \(z_k^{\,m}=z_k\) を \(z_k^{\,m}=1\) と読む。 両辺を \(z_k\) で割ると \(z_k^{\,m-1}=1\)。
  4. 正方形の候補を \(k=3\) だけにする。 \(k=9\) も同じ4点を通る。

要点まとめ

  1. \(r=2\cos\theta\) は \((x-1)^2+y^2=1\)。\(\cos(-\theta)=\cos\theta\) で \(c=-1\) は同じ曲線、\(1-\cos\theta\) は \(\pi\) 回転。
  2. 1 の12乗根の偏角は \(\dfrac{k\pi}{6}\)。\(z_k^{\,m}=z_k\) は \(z_k^{\,m-1}=1\)、つまり \((m-1)k\) が 12 の倍数。
  3. \(k=2\) で \(M=7\)、\(M=3\) は \(k=6\)、正方形は \(k=3,\ 9\)。
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