
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
円の外の点から引いた接線の長さは、三平方の定理で「中心までの距離²−半径²」と表せます。 2つの円への接線の長さが等しい点の軌跡は直線になり、その直線上の点を中心とする円 \(K\) の半径も、同じ式で計算できます。
この回で扱う問題
座標平面上に2つの円 \(C_1:\ x^2+y^2=1\)、\(C_2:\ (x-4)^2+(y-3)^2=4\) がある。\(C_1\) 上の動点 A における \(C_1\) の接線と、\(C_2\) 上の動点 B における \(C_2\) の接線の交点を \(P(x,\ y)\) とし、\(PA=PB\) が成り立つ点 P の軌跡を考える。
\(OA=\) ア、\(C_2\) の中心を \(C_2\) として \(C_2B=\) イ。点 P の軌跡は \(4x+\)ウ\(y-\)エオ\(=0\) …①。
直線①上に点 Q をとり、Q から \(C_1\) に引いた接線の接点を R、S、\(C_2\) に引いた接線の接点を T、U とする。4点 R、S、T、U は Q を中心とする円 \(K\) の周上にある。
Q の \(x\) 座標が 2 のとき、\(K\) の半径は カ、\(\tan\angle RQS=\dfrac{\fbox{キ}}{\fbox{ク}}\)。\(K\) の半径が最小になるとき、Q の座標は \(\left(\dfrac{\fbox{ケコ}}{25},\ \dfrac{\fbox{サシ}}{25}\right)\)。
方針 ― 接線の長さは三平方の定理
- 接線は接点で半径に垂直。\(\triangle OPA\) は \(\angle A=90^\circ\) の直角三角形。
- \(PA^2=OP^2-OA^2\)、\(PB^2=PC_2^{\,2}-C_2B^2\)。
- \(\angle RQS\) は \(\angle RQO\) の2倍。tan の2倍角の公式を使う。
半径と軌跡(ア〜エオ)
A、B は円周上の点なので \(OA=1\)、\(C_2B=2\) です。
\[PA^2=OP^2-1=x^2+y^2-1\]
\[PB^2=PC_2^{\,2}-4\]
\[=(x-4)^2+(y-3)^2-4\]
\(PA=PB\) より2式が等しいので、\(x^2,\ y^2\) が消えて
\[-1=-8x-6y+21\]
\[4x+3y-11=0\]
\(OA=1\)(ア=1)、\(C_2B=2\)(イ=2)、\(4x+3y-11=0\)(ウ=3、エオ=11)
Q(2, 1) のときの円 K(カ〜ク)
\(x=2\) を①に入れると \(8+3y=11\)、\(y=1\)。Q\((2,\ 1)\) です。
\[QR^2=OQ^2-1=5-1=4\]
より \(QR=2\) です。
(\(QT^2=QC_2^{\,2}-4=(4+4)-4=4\) でも同じ 2。①上の点なので当然一致します。)
\(\triangle OQR\) で \(\tan\angle RQO=\dfrac{OR}{QR}=\dfrac12\)。\(\angle RQS=2\angle RQO\) なので
\[\tan\angle RQS=\frac{2\cdot\frac12}{1-\left(\frac12\right)^2}=\frac{1}{\frac34}=\frac43\]
半径 2(カ=2)、\(\tan\angle RQS=\dfrac43\)(キ=4、ク=3)
半径が最小になる Q(ケコ・サシ)
\(K\) の半径は \(\sqrt{OQ^2-1}\) なので、OQ が最小のとき最小です。Q は直線①上を動くので、O から①に下ろした垂線の足を求めます。
①の法線ベクトルは \((4,\ 3)\)。垂線の足は \(k(4,\ 3)\) とおけて、①に代入すると \(16k+9k=11\)、\(k=\dfrac{11}{25}\)。
\[Q\left(\frac{44}{25},\ \frac{33}{25}\right)\]
\(\left(\dfrac{44}{25},\ \dfrac{33}{25}\right)\)(ケコ=44、サシ=33)
つまずきポイント
- 接線の長さを OP と取りちがえる。 接線の長さは \(\sqrt{OP^2-r^2}\)。半径の2乗を引く。
- \(\tan\angle RQS\) を \(\dfrac12\) と答える。 \(\dfrac12\) は半分の角 \(\angle RQO\) の値。2倍角にする。
- 半径最小を Q の \(x\) 座標の微分で探す。 OQ 最小 ⇔ 垂線の足、で一発。
要点まとめ
- \(PA^2=OP^2-1\)、\(PB^2=PC_2^{\,2}-4\)。等しいとおくと \(4x+3y-11=0\)。
- Q\((2,1)\) で半径 2、\(\tan\angle RQS=\dfrac43\)。
- 半径最小は O からの垂線の足 \(\left(\dfrac{44}{25},\ \dfrac{33}{25}\right)\)。