共テ数学ⅡBC 第9回【難問ポイント】マイナス二乗・解の個数・接線の長さ・F′(t)、差がつく4か所 ― 第1〜3問ダイジェスト

第9回(第1〜3問)のうち、差がつく4か所だけを短い動画にまとめました。 各問の全体の解説は、下のリンク先の記事にあります。

解説動画(音声つき)

第9回(第1〜3問)のうち、定番の計算ではなく数え方・式の形の見方で差がつく4か所だけを集めました。 解き終わったあとの見直しや、試験直前の確認に使ってください。

この記事で扱う4か所

① 第1問〔1〕(ii) 展開すると\(-(2L-s)^2\ge0\)。不等式でも答えは1点(イ)

② 第1問〔2〕 \(0\le2x<3\pi\) に注意して、\(t\) 1つあたりの \(x\) の個数を数える(エ〜カ)

③ 第2問 接線の長さは三平方の定理。円 K の半径・\(\tan\angle\mathrm{RQS}\)・半径の最小(カ〜シ)

④ 第3問 \((x-5a)^2\) でくくって上下関係と \(F'(t)\) の符号を見る(ノ〜フ)

第1問〔1〕(i) の恒等式、第2問の軌跡の直線、第3問の接線 \(\ell\) と \(p,\ q\) の計算は定番の処理なので、ここでは省きます。

① 不等式でも答えは1点(第1問・イ)

\(L=\log_2a\)、\(s=\log_23\) とおくと \(\log_29=2s\)。右辺を移して展開します。

\[(L+2s)^2-5(L^2+s^2)\]

\[=-4L^2+4Ls-s^2=-(2L-s)^2\]

2乗は0以上なので、\(-(2L-s)^2\ge0\) が成り立つのは \(2L-s=0\) のときだけです。「不等式だから範囲になる」と思いこまないことです。

\[\log_2a=\frac12\log_23\]

\(a=\sqrt3\) のただ一つ(イ=①)

② t 1つあたりの x の個数(第1問・エ〜カ)

\(2\cos^2x=1+\cos2x\) なので、\(t=\cos2x\) とおくと \(y=t^2+t+1\)(ウ=⑦)。最小は \(t=-\dfrac12\) です。

\(0\le x<\dfrac32\pi\) なので \(0\le2x<3\pi\)。\(\cos2x=-\dfrac12\) となる \(2x\) は \(\dfrac23\pi,\ \dfrac43\pi,\ \dfrac83\pi\) の3つです(エ=3)。

θtOt = −1/2π2π3π2π/34π/38π/3θ = 3π は入らないθ = 2x は 0 ≦ θ < 3π を動く。t = −1/2 となる θ は 3 つ
θ = 2x は 0 ≦ θ < 3π を動く。cos θ = −1/2 は3か所

\(t\) 1つあたりの \(x\) の個数を整理します。

  • \(t=1\):\(2x=0,\ 2\pi\) の2個(\(a=3\) のとき。オ=2)
  • \(-1<t<1\):3個
  • \(t=-1\):\(2x=\pi\) の1個だけ(\(3\pi\) は範囲に入らない)

\(t\) の個数と \(x\) の個数は違います。\(a=1\) のとき \(t^2+t+1=1\) から \(t=-1,\ 0\) で、\(x\) は \(1+3=4\) 個です。

tyO(−1, 1)(−1/2, 3/4)(1, 3)y = 1−11t 1 つあたりの x の個数t = 1    → 2 個−1 < t < 1 → 3 個t = −1    → 1 個a = 1:t = −1 と t = 01 + 3 = 4 個
y = t² + t + 1(−1 ≦ t ≦ 1)と直線 y = a

4個になるのは \(a=1\)(カ=⑥)

③ 接線の長さは三平方の定理(第2問・カ〜シ)

点から円に引いた接線の長さは、中心までの距離の2乗から半径の2乗を引いてルートです。Q\((2,\ 1)\) のとき

\[\mathrm{QR}^2=\mathrm{OQ}^2-1=5-1=4\]

円 K の半径は 2(カ=2)

\(\tan\angle\mathrm{RQO}=\dfrac{\mathrm{OR}}{\mathrm{QR}}=\dfrac12\) は半分の角です。\(\angle\mathrm{RQS}\) はその2倍なので、2倍角の公式を使います。

\[\tan\angle\mathrm{RQS}=\frac{2\cdot\frac12}{1-\frac14}=\frac43\]

(キ=4、ク=3)

円 K の半径は \(\sqrt{\mathrm{OQ}^2-1}\) なので、OQ が最小のとき半径も最小。Q は直線 \(4x+3y-11=0\) 上を動くので、原点から下ろした垂線の足です。\(k(4,\ 3)\) とおくと \(25k=11\)。

xyORSTUQ(2, 1)HK(半径 2)QR² = OQ² − 1 = 5 − 1 = 4tan∠RQO = OR / QR = 1/2tan∠RQS = 4/3(2倍角)半径が最小 ⇔ OQ が最小→ 垂線の足 H(44/25, 33/25)
Q(2, 1) のときの円 K と、原点から直線への垂線

\[\mathrm{Q}\left(\frac{44}{25},\ \frac{33}{25}\right)\]

(ケコ=44、サシ=33)

④ (x−5a)² でくくって F′(t)(第3問・ノ〜フ)

\(x=5a\) で接する2つのグラフの差は \((x-5a)^2\) でくくれます。

\[f(x)-\ell(x)=\frac13(x-5a)^2\]

\[g(x)-\ell(x)=(x-5a)^2\left(x+\frac13\right)\]

引くと

\[g(x)-f(x)=x(x-5a)^2\ge0\]

図の印象ではなく、式で上下を確かめるのがポイントです。\(0\le x\le t\) では \(g\ge f\ge\ell\) なので \(S_1=\displaystyle\int_0^t\{g(x)-f(x)\}\,dx\)(ノ=②)。

xyOQPRx = tS₁S₂C₂C₁ℓg − f = x(x − 5a)² ≧ 0f − ℓ = (1/3)(x − 5a)² ≧ 0S₁ = ∫₀ᵗ (g − f) dxS₂ = ∫₀ᵗ (f − ℓ) dxF′(t) = PQ − PR(a = 1.2 の例。縦は縮めてある)
0 ≦ x ≦ t では C₂ が上、C₁、ℓ の順

\(\displaystyle\int_0^t\) の形は、積分してから微分しなくても、中身に \(t\) を入れるだけです。

\[F'(t)=\{g(t)-f(t)\}-\{f(t)-\ell(t)\}\]

\(F'(t)=\mathrm{PQ}-\mathrm{PR}\)(ハ=③)

ここでも \((t-5a)^2\) でくくると

\[F'(t)=(t-5a)^2\left(t-\frac13\right)\]

\((t-5a)^2>0\) なので、符号は \(t-\dfrac13\) で決まります。\(t=\dfrac13\) の前後で負から正に変わります。

\(t=\dfrac13\) のとき最小(ヒ=1、フ=3)

要点まとめ

  1. マイナス2乗が0以上なら、等号の1点だけ。\(a=\sqrt3\)。
  2. \(0\le2x<3\pi\)。\(t\) 1つあたりの \(x\) の個数を数え、端の \(t\) では少なくなる。
  3. 接線の長さは三平方の定理。\(\dfrac12\) は半分の角、半径の最小は垂線の足。
  4. 接点の \((x-5a)^2\) でくくって上下と \(F'(t)\) の符号を見る。

各問の詳しい解説

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