
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
対数の式は、\(\log_2 a\) を1つの文字とみて展開・整理すると、成り立つ \(a\) の個数が見えます。 三角関数の方程式は、\(t=\cos 2x\) とおいて \(t\) の2次関数にし、「\(t\) 1つに \(x\) がいくつ対応するか」を数えるのがポイントです。
この回で扱う問題
〔1〕\(a\) を正の実数とする。次の式について、正しく述べられたものを ⓪〜④ から選べ(同じものを繰り返し選んでもよい)。
(i) \(\log_2 a+\log_2 2a=2\log_2 a+1\)(ア) (ii) \((\log_2 a+\log_2 9)^2\)
\(\quad\ge 5\{(\log_2 a)^2+(\log_2 3)^2\}\)(イ)
⓪ 式を満たす \(a\) の値は存在しない ① ちょうど一つある ② ちょうど二つある ③ ちょうど三つある ④ どのような \(a\) の値を代入しても成り立つ
〔2〕関数 \(y=2\cos^2x+\cos^2 2x\ \left(0\le x\lt \dfrac32\pi\right)\) …① がある。
(1) \(t=\cos 2x\) とおくと、関数①は \(y=\)(ウ)と表される(⓪〜⑦ から選ぶ)。\(y\) が最小となる \(x\) の値は全部で エ 個ある。
(2) \(a\) を定数とし、方程式 \(2\cos^2x+\cos^2 2x=a\ \left(0\le x\lt \dfrac32\pi\right)\) …② を考える。(i) \(a=3\) のとき、②を満たす \(x\) は全部で オ 個。(ii) ②を満たす \(x\) が全部で4個あるための \(a\) の条件(カ)を ⓪〜⑦ から選ぶ。
方針 ― 1つの文字にまとめる
- 〔1〕\(L=\log_2 a\) とおく。\(\log_2 2a=1+L\)、\(\log_2 9=2\log_2 3\)。
- 〔2〕\(2\cos^2x=1+\cos 2x\) なので、\(y\) は \(t=\cos 2x\) の2次式になる。
- \(0\le x\lt\dfrac32\pi\) なら \(0\le 2x\lt 3\pi\)。この範囲で \(\cos 2x=t\) を満たす \(x\) の個数を調べる。
〔1〕(i) 恒等式かどうか(ア)
\(\log_2 2a=\log_2 2+\log_2 a=1+\log_2 a\) なので
\[\log_2 a+\log_2 2a=2\log_2 a+1\]
左辺と右辺はいつでも同じ式です。\(a\gt 0\) ならどんな値でも成り立ちます。
(ア=④)
〔1〕(ii) 不等式を整理する(イ)
\(L=\log_2 a\)、\(s=\log_2 3\) とおくと \(\log_2 9=2s\)。不等式は \((L+2s)^2\ge 5(L^2+s^2)\) です。右辺を移して展開すると
\[L^2+4Ls+4s^2-5L^2-5s^2\]
\[=-(4L^2-4Ls+s^2)\]
\[=-(2L-s)^2\ge 0\]
2乗は 0 以上なので、成り立つのは \(2L-s=0\) のときだけです。
\[\log_2 a=\frac12\log_2 3\]
より \(a=\sqrt3\) です。
\(a=\sqrt3\) のちょうど一つ(イ=①)
〔2〕(1) t の2次関数にする(ウ・エ)
半角の公式 \(2\cos^2x=1+\cos 2x\) から
\[y=1+t+t^2=t^2+t+1\]
\[=\left(t+\frac12\right)^2+\frac34\]
\(t=\cos 2x\) は \(-1\le t\le 1\) を動くので、最小は \(t=-\dfrac12\) のとき \(y=\dfrac34\)。
\(\theta=2x\) は \(0\le\theta\lt 3\pi\)。この範囲で \(\cos\theta=-\dfrac12\) となるのは \(\theta=\dfrac23\pi,\ \dfrac43\pi,\ \dfrac83\pi\) の3つです。
\(y=t^2+t+1\)(ウ=⑦)、最小となる \(x\) は3個(エ=3)
〔2〕(2)(i) a = 3 のとき(オ)
\[t^2+t+1=3\ \Longrightarrow\ (t+2)(t-1)=0\]
\(-1\le t\le 1\) より \(t=1\)。\(\cos\theta=1\) となるのは \(\theta=0,\ 2\pi\)(\(3\pi\) 未満)なので、\(x=0,\ \pi\) の2個です。
2個(オ=2)
〔2〕(2)(ii) x が4個になる a(カ)
まず、\(t\) の値1つに対して \(x\) がいくつあるかを整理します(\(0\le\theta\lt 3\pi\))。
- \(t=1\):\(\theta=0,\ 2\pi\) の2個
- \(-1\lt t\lt 1\):\((0,\pi)\)、\((\pi,2\pi)\)、\((2\pi,3\pi)\) に1つずつで3個
- \(t=-1\):\(\theta=\pi\) の1個(\(3\pi\) は範囲外)
次に、\(y=t^2+t+1\ (-1\le t\le 1)\) のグラフと直線 \(y=a\) の交点を見ます。
- \(a=\dfrac34\):\(t=-\dfrac12\) だけ → 3個
- \(\dfrac34\lt a\lt 1\):\(-1\lt t\lt 0\) に2つ → 6個
- \(a=1\):\(t=-1\)(1個)と \(t=0\)(3個)→ 4個
- \(1\lt a\lt 3\):\(0\lt t\lt 1\) に1つ → 3個
- \(a=3\):\(t=1\) → 2個
\(a=1\)(カ=⑥)
つまずきポイント
- (ii) を「不等式だから範囲がある」と思いこむ。 整理すると \(-(2L-s)^2\ge 0\) で、等号の1点だけが答え。
- \(2x\) の範囲を \(0\le 2x\lt 2\pi\) のままにする。 \(0\le 2x\lt 3\pi\) なので、\(t\) 1つに \(x\) が3個ある部分ができる。
- \(t\) の個数と \(x\) の個数を混同する。 端の \(t=\pm1\) だけは \(x\) の個数が少ない。
要点まとめ
- (i) は恒等式(ア=④)。(ii) は \(-(2L-s)^2\ge 0\) で \(a=\sqrt3\) のみ(イ=①)。
- \(y=t^2+t+1\)(ウ=⑦)。最小 \(t=-\dfrac12\) で \(x\) は3個(エ=3)。
- \(a=3\) で2個(オ=2)。4個になるのは \(a=1\)(カ=⑥)。