共テ数学ⅡBC 第9回【第1問】対数は1つの文字で整理し、cos 2x = t の解の個数はグラフで数える ― 指数関数・対数関数・三角関数

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

対数の式は、\(\log_2 a\) を1つの文字とみて展開・整理すると、成り立つ \(a\) の個数が見えます。 三角関数の方程式は、\(t=\cos 2x\) とおいて \(t\) の2次関数にし、「\(t\) 1つに \(x\) がいくつ対応するか」を数えるのがポイントです。

この回で扱う問題

〔1〕\(a\) を正の実数とする。次の式について、正しく述べられたものを ⓪〜④ から選べ(同じものを繰り返し選んでもよい)。

(i) \(\log_2 a+\log_2 2a=2\log_2 a+1\)(ア) (ii) \((\log_2 a+\log_2 9)^2\)
\(\quad\ge 5\{(\log_2 a)^2+(\log_2 3)^2\}\)(イ)

⓪ 式を満たす \(a\) の値は存在しない ① ちょうど一つある ② ちょうど二つある ③ ちょうど三つある ④ どのような \(a\) の値を代入しても成り立つ

〔2〕関数 \(y=2\cos^2x+\cos^2 2x\ \left(0\le x\lt \dfrac32\pi\right)\) …① がある。

(1) \(t=\cos 2x\) とおくと、関数①は \(y=\)(ウ)と表される(⓪〜⑦ から選ぶ)。\(y\) が最小となる \(x\) の値は全部で エ 個ある。

(2) \(a\) を定数とし、方程式 \(2\cos^2x+\cos^2 2x=a\ \left(0\le x\lt \dfrac32\pi\right)\) …② を考える。(i) \(a=3\) のとき、②を満たす \(x\) は全部で オ 個。(ii) ②を満たす \(x\) が全部で4個あるための \(a\) の条件(カ)を ⓪〜⑦ から選ぶ。

方針 ― 1つの文字にまとめる

  • 〔1〕\(L=\log_2 a\) とおく。\(\log_2 2a=1+L\)、\(\log_2 9=2\log_2 3\)。
  • 〔2〕\(2\cos^2x=1+\cos 2x\) なので、\(y\) は \(t=\cos 2x\) の2次式になる。
  • \(0\le x\lt\dfrac32\pi\) なら \(0\le 2x\lt 3\pi\)。この範囲で \(\cos 2x=t\) を満たす \(x\) の個数を調べる。

〔1〕(i) 恒等式かどうか(ア)

\(\log_2 2a=\log_2 2+\log_2 a=1+\log_2 a\) なので

\[\log_2 a+\log_2 2a=2\log_2 a+1\]

左辺と右辺はいつでも同じ式です。\(a\gt 0\) ならどんな値でも成り立ちます。

(ア=④)

〔1〕(ii) 不等式を整理する(イ)

\(L=\log_2 a\)、\(s=\log_2 3\) とおくと \(\log_2 9=2s\)。不等式は \((L+2s)^2\ge 5(L^2+s^2)\) です。右辺を移して展開すると

\[L^2+4Ls+4s^2-5L^2-5s^2\]

\[=-(4L^2-4Ls+s^2)\]

\[=-(2L-s)^2\ge 0\]

2乗は 0 以上なので、成り立つのは \(2L-s=0\) のときだけです。

\[\log_2 a=\frac12\log_2 3\]

より \(a=\sqrt3\) です。

\(a=\sqrt3\) のちょうど一つ(イ=①)

〔2〕(1) t の2次関数にする(ウ・エ)

半角の公式 \(2\cos^2x=1+\cos 2x\) から

\[y=1+t+t^2=t^2+t+1\]

\[=\left(t+\frac12\right)^2+\frac34\]

\(t=\cos 2x\) は \(-1\le t\le 1\) を動くので、最小は \(t=-\dfrac12\) のとき \(y=\dfrac34\)。

\(\theta=2x\) は \(0\le\theta\lt 3\pi\)。この範囲で \(\cos\theta=-\dfrac12\) となるのは \(\theta=\dfrac23\pi,\ \dfrac43\pi,\ \dfrac83\pi\) の3つです。

θtOt = −1/2π2π3π2π/34π/38π/3θ = 3π は入らないθ = 2x は 0 ≦ θ < 3π を動く。t = −1/2 となる θ は 3 つ
t = cos θ(0 ≦ θ < 3π)と直線 t = −1/2。交点は3つ

\(y=t^2+t+1\)(ウ=⑦)、最小となる \(x\) は3個(エ=3)

〔2〕(2)(i) a = 3 のとき(オ)

\[t^2+t+1=3\ \Longrightarrow\ (t+2)(t-1)=0\]

\(-1\le t\le 1\) より \(t=1\)。\(\cos\theta=1\) となるのは \(\theta=0,\ 2\pi\)(\(3\pi\) 未満)なので、\(x=0,\ \pi\) の2個です。

2個(オ=2)

〔2〕(2)(ii) x が4個になる a(カ)

まず、\(t\) の値1つに対して \(x\) がいくつあるかを整理します(\(0\le\theta\lt 3\pi\))。

  • \(t=1\):\(\theta=0,\ 2\pi\) の2個
  • \(-1\lt t\lt 1\):\((0,\pi)\)、\((\pi,2\pi)\)、\((2\pi,3\pi)\) に1つずつで3個
  • \(t=-1\):\(\theta=\pi\) の1個(\(3\pi\) は範囲外)

次に、\(y=t^2+t+1\ (-1\le t\le 1)\) のグラフと直線 \(y=a\) の交点を見ます。

  • \(a=\dfrac34\):\(t=-\dfrac12\) だけ → 3個
  • \(\dfrac34\lt a\lt 1\):\(-1\lt t\lt 0\) に2つ → 6個
  • \(a=1\):\(t=-1\)(1個)と \(t=0\)(3個)→ 4個
  • \(1\lt a\lt 3\):\(0\lt t\lt 1\) に1つ → 3個
  • \(a=3\):\(t=1\) → 2個
tyO(−1, 1)(−1/2, 3/4)(1, 3)y = 1−11t 1 つあたりの x の個数t = 1    → 2 個−1 < t < 1 → 3 個t = −1    → 1 個a = 1:t = −1 と t = 01 + 3 = 4 個
y = t² + t + 1(−1 ≦ t ≦ 1)と直線 y = 1。t = −1 と t = 0 の2点で交わる

\(a=1\)(カ=⑥)

つまずきポイント

  1. (ii) を「不等式だから範囲がある」と思いこむ。 整理すると \(-(2L-s)^2\ge 0\) で、等号の1点だけが答え。
  2. \(2x\) の範囲を \(0\le 2x\lt 2\pi\) のままにする。 \(0\le 2x\lt 3\pi\) なので、\(t\) 1つに \(x\) が3個ある部分ができる。
  3. \(t\) の個数と \(x\) の個数を混同する。 端の \(t=\pm1\) だけは \(x\) の個数が少ない。

要点まとめ

  1. (i) は恒等式(ア=④)。(ii) は \(-(2L-s)^2\ge 0\) で \(a=\sqrt3\) のみ(イ=①)。
  2. \(y=t^2+t+1\)(ウ=⑦)。最小 \(t=-\dfrac12\) で \(x\) は3個(エ=3)。
  3. \(a=3\) で2個(オ=2)。4個になるのは \(a=1\)(カ=⑥)。
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