
第5回(第1〜3問)のうち、差がつく4か所だけを短い動画にまとめました。 各問の全体の解説は、下のリンク先の記事にあります。
第5回(第1〜3問)のうち、定番の計算ではなく論理・発想・前の結果の使い回しで差がつく4か所だけを集めました。 解き終わったあとの見直しや、試験直前の確認に使ってください。
この記事で扱う4か所
① 第1問〔1〕(2) ①と②のただ一つの共通解(コ)
② 第2問 見こむ角 \(\angle\mathrm{APB}\) を tan の加法定理で表し、相加相乗で最大にする(カ〜タ)
③ 第3問(1) \(f(x)\) を \(f'(x)\) で割った余りの1次式で極値を出す(クケ〜シ)
④ 第3問(2) 展開図の箱の容積が前半の \(f(x)\) と同じ形になる(ス〜ヌ)
第1問〔1〕(1) の3次方程式、〔2〕の指数方程式、第2問の直線の傾き、第3問の微分そのものは定番の計算なので、ここでは省きます。
① ただ一つの共通解(第1問・コ)
①の解は \(1\pm\sqrt{3}\,i\) と \(x=-k\) の3つ。②は \(x^2+(k-2)x+2=0\) で、これも実数係数です。
虚数解が共通だと、その共役も共通になるので、共通解が2つになり「ただ一つ」に反します。残る候補は実数の \(x=-k\) だけです。
\[k^2-(k-2)k+2=0\]
\[2k+2=0\qquad k=-1\]
このとき②は \((x-1)(x-2)=0\)、①の解は \(1,\ 1\pm\sqrt{3}\,i\) なので、共通な解は1つだけです。
\[x=1\]
(コ=1)
② 見こむ角は tan で、最大は相加相乗で(第2問・カ〜タ)
傾きは tan なので \(\tan\alpha=\dfrac{x-6}{3x}\)、\(\tan\beta=\dfrac{x-15}{3x}\)。加法定理は分子と分母を別々に計算するとミスが減ります。
\[\tan\alpha-\tan\beta=\frac{3}{x}\]
\[1+\tan\alpha\tan\beta=\frac{10x^2-21x+90}{9x^2}\]
\[\tan(\alpha-\beta)=\frac{27x}{10x^2-21x+90}\]
ここからが発想の山場です。分子と分母を \(x\) で割ると、分母に「掛けると一定」の2項が現れます。
\[\tan(\alpha-\beta)=\frac{27}{10x+\frac{90}{x}-21}\]
\[10x+\frac{90}{x}\ge 2\sqrt{900}=60\]
等号は \(10x=\dfrac{90}{x}\)、つまり \(x=3\) のときで、\(0\lt x\le 9\) に入ります。分母が最小のとき tan も角も最大です。
\(x=3\) のとき \(\angle\mathrm{APB}\) が最大(セソ=60、タ=3)
③ 極値は余りの1次式で(第3問(1)・クケ〜シ)
\(f(x)=x(x-k)(x-2k)\)、\(f'(x)=3x^2-6kx+2k^2\)。\(f(x)\) を \(f'(x)\) で割ると
\[f(x)=f'(x)\left(\frac{x}{3}-\frac{k}{3}\right)+R(x)\]
\[R(x)=-\frac{2}{3}k^2x+\frac{2}{3}k^3\]
極値をとる \(x=\alpha\) では \(f'(\alpha)=0\) なので、商の部分が消えて
\[f(\alpha)=R(\alpha)\]
根号を含む \(\alpha\) を3次式に入れずに、1次式に入れるだけで極値が出ます。「なぜ割るのか」を知っていると、④の最大値がすぐに出ます。
④ 箱の容積は前半の f(x) と同じ形(第3問(2)・ス〜ヌ)
深さ \(x\) のふたが2枚向かい合って幅 \(y\) の面をふさぐので \(y=2x\)(ス=2)。容積は
\[V=2x(10-2x)(20-2x)\]
\[V=8x(x-5)(x-10)\]
\[=8f(x)\quad(k=5)\]
側面の幅 \(10-2x\gt 0\) より \(0\lt x\lt 5\)。極大をとる \(\alpha=5-\dfrac{5\sqrt{3}}{3}\fallingdotseq 2.11\) は範囲内です。ここで③が生きます。
\[f(\alpha)=R(\alpha)=\frac{50}{3}(5-\alpha)\]
\[=\frac{50}{3}\cdot\frac{5\sqrt{3}}{3}=\frac{250\sqrt{3}}{9}\]
\[V_{\max}=8f(\alpha)=\frac{2000\sqrt{3}}{9}\]
(ツテトナ=2000、ニ=3、ヌ=9)
要点まとめ
- 虚数解が共通なら共役も共通。「ただ一つ」の共通解は実数解を調べる。
- tan の差は分子・分母を別に計算し、\(x\) で割って相加相乗。等号の \(x\) が範囲に入るか確かめる。
- \(f'(\alpha)=0\) なら \(f(\alpha)=R(\alpha)\)。極値は余りの1次式に入れる。
- 箱は \(y=2x\)、\(V=8f(x)\)(\(k=5\))。前半の結果を使い回す。