
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
複素数平面で「垂直」は、比が純虚数になることで表せます。 極座標の円は、中心・極・円上の点でできる三角形に余弦定理を使えば、そのまま極方程式になります。 〔2〕(2) は、出てきた式を ① の形に合わせて読むだけで中心と半径が分かります。
この回で扱う問題
〔1〕複素数平面上の △OAB(A(\(\alpha\))、B(\(\beta\)))で、直線 OA 上に OP = BP となる点 P(\(z\)) をとる。OB の中点を M(\(m\)) とすると、\(\dfrac{z-m}{\beta-m}\) はつねに ア。 \(z=k\alpha\)(\(k\) は実数)とおき、\(\alpha=14+6i\)、\(\beta=2+5i\) のとき \(k=\dfrac{\fbox{イ}}{\fbox{ウ}}\)。このとき MP エ MB。
〔2〕(1) 極座標が (5, 0) の点を A とする。A を中心とする半径 5 の円 \(K_1\) の極方程式は オ。半径 \(R\)(\(R\ne 5\))の円 \(K_2\) は △OAP に着目して \(r^2-\)カキ\(r\)ク\(+\)ケコ\(=R^2\) …①。
(2) 極座標が \(\left(5,\ \dfrac{\pi}{5}\right)\) の点を B とする。OP : BP = 3 : 2 を満たす点 P の軌跡は \(r^2-\)サシ\(r\)ス\(+\)セソ\(=0\)。①のように変形すると、中心 タ、半径 チ の円。 この円 \(K\) の中心 G を通り始線に平行な直線と \(K\) の交点のうち O から遠い方を C、C から始線に引いた垂線の足を H とすると、直線 CH の極方程式は ツ。
方針 ― 垂直は純虚数、円は余弦定理
- \(\dfrac{z-m}{\beta-m}\) が純虚数 ⇔ MP ⊥ MB(偏角が \(\pm\dfrac{\pi}{2}\))。
- 純虚数 ⇔ 実部が 0。\(z=k\alpha\) を入れて \(k\) を決める。
- 中心 \((a,\ \varphi)\)、半径 \(R\) の円は、余弦定理から \(r^2-2ar\cos(\theta-\varphi)+a^2=R^2\)。
〔1〕P の条件と k(ア〜ウ)
△POB は PO = PB の二等辺三角形なので、底辺 OB の中点 M と結ぶと PM ⊥ OB。
\(\dfrac{z-m}{\beta-m}\) は純虚数(ア=③)
\(w=\dfrac{2k\alpha}{\beta}-1\) が純虚数なので、\(\dfrac{2k\alpha}{\beta}\) の実部が 1。
\[\frac{\alpha}{\beta}=\frac{14+6i}{2+5i}=\frac{(14+6i)(2-5i)}{29}\]
\[=\frac{58-58i}{29}=2-2i\]
\(\dfrac{2k\alpha}{\beta}=4k-4ki\) の実部 \(4k=1\) より
\(k=\dfrac14\)(イ=1、ウ=4)
〔1〕MP と MB(エ)
\(z=\dfrac14\alpha=\dfrac72+\dfrac32i\)、\(m=\dfrac12\beta=1+\dfrac52i\)。
\[\mathrm{MP}=\left|\frac52-i\right|=\frac{\sqrt{29}}{2}\]
\[\mathrm{MB}=\left|1+\frac52i\right|=\frac{\sqrt{29}}{2}\]
MO = MB = MP なので、P は OB を直径とする円の上にあり、∠OPB = 90°。△OPB は直角二等辺三角形です。
MP = MB(エ=①)
〔2〕(1) 円 K₁ と K₂(オ〜ケコ)
\(K_1\) は中心 (5, 0)、半径 5 なので、O と点 D(10, 0) を直径の両端とする円。円周角から ∠OPD = 90° で、\(r=\mathrm{OD}\cos\theta\)。
\(r=10\cos\theta\)(オ=④)
\(K_2\) では △OAP に余弦定理を使います。OA = 5、OP = \(r\)、AP = \(R\)、∠AOP = \(\theta\) なので
\[R^2=r^2+5^2-2\cdot5\cdot r\cos\theta\]
\(r^2-10r\cos\theta+25=R^2\)(カキ=10、ク=⓪、ケコ=25)
〔2〕(2) OP : BP = 3 : 2 の軌跡(サシ〜ソ)
△OBP で、∠BOP = \(\theta-\dfrac{\pi}{5}\)(の大きさ)なので、余弦定理から
\[\mathrm{BP}^2=r^2+25-10r\cos\left(\theta-\frac{\pi}{5}\right)\]
\(2\,\mathrm{OP}=3\,\mathrm{BP}\) を2乗して \(4r^2=9\,\mathrm{BP}^2\)。
\[4r^2=9r^2+225-90r\cos\left(\theta-\frac{\pi}{5}\right)\]
整理して5で割ると
\[r^2-18r\cos\left(\theta-\frac{\pi}{5}\right)+45=0\]
(サシ=18、ス=②、セソ=45)
〔2〕(2) 中心と半径(タ・チ)
① の形 \(r^2-2ar\cos(\theta-\varphi)+a^2=R^2\) に合わせます。\(2a=18\) より \(a=9\)。両辺に \(81-45=36\) を足すと
\[r^2-18r\cos\left(\theta-\frac{\pi}{5}\right)+81=36\]
中心 \(\left(9,\ \dfrac{\pi}{5}\right)=\left(\dfrac{18}{2},\ \dfrac{\pi}{5}\right)\)(タ=⑥)、半径 6(チ=6)
〔2〕(2) 直線 CH(ツ)
G の直交座標の \(x\) 座標は \(9\cos\dfrac{\pi}{5}\)。C は G から始線と平行に半径 6 だけ右へ進んだ点なので
\[\mathrm{OH}=9\cos\frac{\pi}{5}+6\]
直線 CH は始線に垂直で、その上の点はどれも \(r\cos\theta=\mathrm{OH}\) を満たします。
\(r\cos\theta=9\cos\dfrac{\pi}{5}+6\)(ツ=④)
つまずきポイント
- 「垂直」を「実数」と取りちがえる。 比が実数なら平行(同じ直線上)、純虚数なら垂直。
- OP : BP = 3 : 2 を 2OP = 3BP ではなく 3OP = 2BP にする。 比の内項・外項を確かめる。
- 中心の距離を 18 と答える。 \(r\) の係数は \(2a\) なので、中心までの距離は半分の 9。
要点まとめ
- PM ⊥ OB ⇔ \(\dfrac{z-m}{\beta-m}\) が純虚数。\(\dfrac{\alpha}{\beta}=2-2i\) から \(k=\dfrac14\)、MP = MB。
- 円 \(K_1\):\(r=10\cos\theta\)。円 \(K_2\):余弦定理で \(r^2-10r\cos\theta+25=R^2\)。
- 軌跡 \(r^2-18r\cos\left(\theta-\dfrac{\pi}{5}\right)+45=0\) は中心 \(\left(9,\ \dfrac{\pi}{5}\right)\)、半径 6。直線 CH は \(r\cos\theta=9\cos\dfrac{\pi}{5}+6\)。