
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
対数の方程式は、真数が正であることを先に確かめてから、真数どうしを比べます。 直線 \(y=k\) との交点の \(x\) 座標は \(2^k\) の式で表せるので、\(2^k=t\) とおくと、三角形の面積は \(t\) の3次関数。 あとは微分して増減を調べるだけです。
この回で扱う問題
3つの曲線 \(C_1:\ y=\log_2x\)、\(C_2:\ y=\dfrac12\log_2(x+2)\)、\(C_3:\ y=2^x\) を考える。 \(k\) を定数とし、直線 \(y=k\) と \(C_1\)、\(C_2\) の交点をそれぞれ P、Q とする。また、\(C_3\) 上の \(x\) 座標が \(k\) の点を R とする。
(1) \(C_1\) と \(C_2\) の交点の座標は (ア, イ)。P(ウ, \(k\))、Q(エ\(-2\), \(k\))(ウ・エは ⓪ \(2^k\) ① \(2^{k+1}\) ② \(2^{2k}\) ③ \(2^{2k+1}\) から)。 P、Q から \(x\) 軸に引いた垂線と \(x\) 軸の交点を M、N とすると、\(k\lt\) オ のとき MN=ウ−(エ−2)、\(k\gt\) オ のとき MN=(エ−2)−ウ。
(2) \(k\lt\) オ のとき、△MNR の面積を \(S\) とする。\(t=2^k\) として \(S\) を \(t\) で表せ(カ)。 \(S\) が最大となる \(t\) の値は \(t=\dfrac{\fbox{キ}+\sqrt{\fbox{ク}}}{\fbox{ケ}}\)、このときの \(k\) の値(コ)を答えよ。
方針 ― 真数をそろえ、2k を t に
- \(\log_2x=\dfrac12\log_2(x+2)\) は、真数条件 \(x\gt 0\) のもとで \(\log_2x^2=\log_2(x+2)\)。
- \(\log_a x=R \iff x=a^R\) で、交点の \(x\) 座標を \(k\) で表す。
- \(t=2^k\) とおくと、底辺 MN も高さも \(t\) の式。面積は3次関数なので微分する。
(1) C1 と C2 の交点(ア・イ)
真数は正なので \(x\gt 0\) かつ \(x+2\gt 0\)、つまり \(x\gt 0\)。両辺を2倍して
\[\log_2x^2=\log_2(x+2)\]
\[x^2=x+2\]
\[(x+1)(x-2)=0\]
\(x\gt 0\) より \(x=2\)。このとき \(y=\log_2 2=1\)。
交点は \((2,\ 1)\)(ア=2、イ=1)
(1) P、Q の座標と MN(ウ〜オ)
P は \(\log_2x=k\) より \(x=2^k\)。
Q は \(\dfrac12\log_2(x+2)=k\) より \(\log_2(x+2)=2k\)、\(x+2=2^{2k}\)。
P\((2^k,\ k)\)、Q\((2^{2k}-2,\ k)\)(ウ=⓪、エ=②)
\(C_1\) と \(C_2\) は交点 \((2,\ 1)\) の前後で上下が入れかわります。\(k\lt 1\) では P のほうが右、\(k\gt 1\) では Q のほうが右にあります。
\(k\lt 1\) のとき \(\mathrm{MN}=2^k-(2^{2k}-2)\)、\(k\gt 1\) のとき \(\mathrm{MN}=(2^{2k}-2)-2^k\)(オ=1)
(2) S を t で表す(カ)
R の座標は \((k,\ 2^k)\)。\(t=2^k\) とおくと、\(k\lt 1\) より \(0\lt t\lt 2\)。
△MNR の底辺を MN とすると、高さは R の \(y\) 座標 \(t\) です。
\[\mathrm{MN}=t-t^2+2\]
\[S=\frac12(t-t^2+2)t\]
\[S=-\frac12t^3+\frac12t^2+t\]
(カ=①)
(2) S の最大(キ〜コ)
\[S'=-\frac32t^2+t+1\]
\[=-\frac12(3t^2-2t-2)\]
\(S'=0\) とすると \(3t^2-2t-2=0\)。\(0\lt t\lt 2\) の範囲の解は \(t=\dfrac{1+\sqrt7}{3}\)(約 1.22)。
| \(t\) | 0 | … | \(\frac{1+\sqrt7}{3}\) | … | 2 |
|---|---|---|---|---|---|
| \(S'\) | + | 0 | − | ||
| \(S\) | ↗ | 極大 | ↘ |
\(S\) は \(t=\dfrac{1+\sqrt7}{3}\) で最大(キ=1、ク=7、ケ=3)
\(2^k=\dfrac{1+\sqrt7}{3}\) より
\[k=\log_2\frac{1+\sqrt7}{3}\]
(コ=③)
つまずきポイント
- 真数条件を忘れる。 \(x^2=x+2\) の解 \(x=-1\) は \(\log_2 x\) の真数が負になるので不適。
- Q の計算で \(\dfrac12\) を忘れる。 \(\dfrac12\log_2(x+2)=k\) なら \(\log_2(x+2)=2k\)。
- \(t\) の範囲を確かめない。 \(k\lt 1\) なので \(0\lt t\lt 2\)。\(3t^2-2t-2=0\) のもう1つの解(負)はとらない。
要点まとめ
- \(C_1\) と \(C_2\) の交点は \((2,\ 1)\)。P\((2^k,\ k)\)、Q\((2^{2k}-2,\ k)\)。
- \(t=2^k\)(\(0\lt t\lt 2\))とおくと \(S=-\dfrac12t^3+\dfrac12t^2+t\)。
- \(t=\dfrac{1+\sqrt7}{3}\) で最大、\(k=\log_2\dfrac{1+\sqrt7}{3}\)。