
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
3点 A(\(\alpha\))、B(\(\beta\))、C(\(\gamma\)) が一直線上にあるのは、A を中心に B を C に動かす回転が 0 か \(\pi\) のとき。 \(\cos0+i\sin0\) も \(\cos\pi+i\sin\pi\) も虚部は 0 なので、\(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\) が実数になる、と言いかえられます。 (2) はこの道具で、1、\(z\)、\(z^2\) が一直線上にある条件を求めます。
この回で扱う問題
(1) 複素数平面上の異なる3点 A(\(\alpha\))、B(\(\beta\))、C(\(\gamma\)) に対して、
3点 A、B、C が一直線上にある \(\iff\) \(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\) が実数
であることを示せ。
(2) 複素数平面上で、異なる3点 1、\(z\)、\(z^2\) が一直線上にあるとき、\(z\) を求めよ。
方針 ― 回転は何度?
- \(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\):A を中心に、点 B を点 C に動かす式。偏角が回転の角。
- 一直線上 ⇔ 回転が 0 または \(\pi\) ⇔ 虚部が 0 ⇔ 実数。
- (2) は (1) を使って、\(\dfrac{z^2-1}{z-1}\) が実数になる条件を調べる。
(1) 偏角が 0 か π
3点は異なるので \(\angle\mathrm{BAC}\) を考えることができ、
- C と B が A から見て同じ側にあるとき \(\angle\mathrm{BAC}=0\)、つまり \(\arg\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=0\)
- 反対側にあるとき \(\angle\mathrm{BAC}=\pi\)、つまり \(\arg\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=\pi\)
よって
3点 A、B、C が一直線上にある
\[\iff \arg\frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}=0,\ \pi\]
\[\iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\ \text{の虚部が}\ 0\]
\[\iff \frac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\ \text{は実数}\]
(2) 異なる3点の条件
まず「異なる3点」から \(z\) の範囲をしぼります。
- \(1\ne z\) より \(z\ne1\)
- \(z\ne z^2\) より \(z(z-1)\ne0\)、つまり \(z\ne0,\ 1\)
- \(z^2\ne1\) より \(z\ne\pm1\)
あわせて \(z\ne0,\ \pm1\) です。
(2) (1) を使う
1 を中心に考えると、(1) より、一直線上にあるのは \(\dfrac{z^2-1}{z-1}\) が実数のとき。
\[\frac{z^2-1}{z-1}=\frac{(z+1)(z-1)}{z-1}=z+1\]
\(z+1\) が実数なので、\(z\) は実数です。
\(z\) は \(0,\ \pm1\) 以外のすべての実数
つまずきポイント
- 偏角 0 の場合を忘れる。 一直線上は「180°回転」だけではない。0°回転(同じ側)も含めて、まとめて「実数」。
- 「異なる3点」の条件を使わない。 \(z=0,\ \pm1\) では点が重なるので除く。
- どの点を中心にするか迷う。 どれでもよいが、1 を中心にすると \(z+1\) ときれいに約分できる。
要点まとめ
- \(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\):A を中心に、点 B を点 C に動かす回転と倍率。
- 3点が一直線上 ⇔ 回転が 0 か \(\pi\) ⇔ \(\dfrac{\gamma-\alpha}{\beta-\alpha}\) は実数。
- (2) は \(\dfrac{z^2-1}{z-1}=z+1\) が実数 → \(z\) は 0、\(\pm1\) 以外の実数。
