共テ数学ⅡBC 第7回【第1問】sin x cos x と cos²x は2倍角で直し、共有点は因数分解で求める ― 三角関数

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

\(\sin x\cos x\) や \(\cos^2x\) のままでは、グラフの形も周期も見えません。 2倍角の公式で \(\sin 2x\)、\(\cos 2x\) の1次式に直すのが第一歩です。 2つのグラフの共有点は、方程式を割らずに因数分解して、解を1つも落とさずに求めます。

この回で扱う問題

\(f(x)=\sin x\cos x\)、\(g(x)=\cos^2x\) とする。

(1) \(0\le x\le 2\pi\) のとき、\(y=f(x)\) のグラフ(ア)、\(y=g(x)\) のグラフ(イ)を ⓪〜⑤ から選べ。

(2) 関数 \(f(x)\) の周期のうち正で最小のもの(ウ)を、⓪ \(\dfrac{\pi}{2}\) ① \(\pi\) ② \(\dfrac32\pi\) ③ \(2\pi\) から選べ。

(3) \(0\le x\le 2\pi\) で、\(y=f(x)\) と \(y=g(x)\) のグラフの共有点の \(x\) 座標の総和は \(\dfrac{\fbox{エ}}{\fbox{オ}}\pi\) である。

(4) \(0\le x\le 2\pi\) で、\(y=f(2x)\) と \(y=g(x)-\dfrac12\) のグラフの共有点の \(x\) 座標のうち最小のものは \(\dfrac{\pi}{\fbox{カキ}}\) である。

方針 ― 2倍角で1次式に直す

  • \(\sin x\cos x=\dfrac12\sin 2x\)、\(\cos^2x=\dfrac{1+\cos 2x}{2}\)。
  • \(y=\sin px\) の周期は \(\dfrac{2\pi}{p}\)。
  • 共有点は「\(f(x)=g(x)\) の解」。両辺を三角関数で割らず、くくって因数分解する。

(1) グラフを選ぶ(ア・イ)

2倍角の公式から

\[f(x)=\frac12\sin 2x\]

\[g(x)=\frac12\cos 2x+\frac12\]

\(y=f(x)\) は原点から上がり、高さ \(\dfrac12\)、周期 \(\pi\) の波。\(y=g(x)\) は \(y=1\) から始まり、0 と 1 の間を周期 \(\pi\) で往復します。

xyOπ/2π3π/22π11/2−1/2y = g(x) = (1/2)cos 2x + 1/2y = f(x) = (1/2)sin 2xπ/45π/4
y = f(x)(黄)と y = g(x)(黒)。緑の丸が共有点で、x = π/4, π/2, 5π/4, 3π/2

(ア=⑤、イ=①)

(2) 周期(ウ)

\(\sin 2x\) の周期は \(\dfrac{2\pi}{2}=\pi\) です。

周期は \(\pi\)(ウ=①)

(3) 共有点の x 座標の総和(エ・オ)

共有点の \(x\) 座標は、次の方程式の解です。

\[\sin x\cos x=\cos^2x\]

ここで両辺を \(\cos x\) で割ってはいけません。\(\cos x=0\) の解が消えてしまいます。移項してくくります。

\[\cos x(\sin x-\cos x)=0\]

  • \(\cos x=0\) のとき \(x=\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac32\pi\)
  • \(\sin x=\cos x\)、つまり \(\tan x=1\) のとき \(x=\dfrac{\pi}{4},\ \dfrac54\pi\)

(\(\cos x=0\) のとき \(\sin x=\pm1\) なので、\(\sin x=\cos x\) の解は \(\cos x\ne 0\) の範囲にあり、\(\tan x=1\) と書きかえてよい。)

4つを足して

\[\frac{\pi}{2}+\frac32\pi+\frac{\pi}{4}+\frac54\pi=\frac72\pi\]

総和は \(\dfrac72\pi\)(エ=7、オ=2)

(4) f(2x) と g(x) − 1/2 の共有点(カキ)

\[f(2x)=\sin 2x\cos 2x\]

\[g(x)-\frac12=\frac12\cos 2x\]

なので、方程式 \(\sin 2x\cos 2x=\dfrac12\cos 2x\) を解きます。くくると

\[\cos 2x\left(\sin 2x-\frac12\right)=0\]

\(0\le x\le 2\pi\) なので \(0\le 2x\le 4\pi\)。それぞれの最小の解を調べます。

  • \(\cos 2x=0\):最初は \(2x=\dfrac{\pi}{2}\)、\(x=\dfrac{\pi}{4}\)
  • \(\sin 2x=\dfrac12\):最初は \(2x=\dfrac{\pi}{6}\)、\(x=\dfrac{\pi}{12}\)
xyOπ/4π/23π/4πy = g(x) − 1/2 = (1/2)cos 2xy = f(2x) = (1/2)sin 4xπ/12いちばん左
y = f(2x) = (1/2)sin 4x(黄)と y = (1/2)cos 2x(黒)。いちばん左の共有点は x = π/12

最小のものは \(\dfrac{\pi}{12}\)(カキ=12)

つまずきポイント

  1. \(\cos x\) で両辺を割る。 \(x=\dfrac{\pi}{2},\ \dfrac32\pi\) の2つが消え、総和が合わなくなる。くくって因数分解する。
  2. \(2x\) の範囲を \(0\le 2x\le 2\pi\) のままにする。 \(x\) が \(0\)〜\(2\pi\) なら \(2x\) は \(0\)〜\(4\pi\)。
  3. 周期を \(2\pi\) と答える。 \(\sin 2x\) の周期は \(\pi\)。

要点まとめ

  1. \(f(x)=\dfrac12\sin 2x\)、\(g(x)=\dfrac12\cos 2x+\dfrac12\)。グラフはア=⑤、イ=①、周期は \(\pi\)(ウ=①)。
  2. 共有点は \(\cos x(\sin x-\cos x)=0\)。総和は \(\dfrac72\pi\)。
  3. (4) は \(\cos 2x\left(\sin 2x-\dfrac12\right)=0\)。最小は \(\dfrac{\pi}{12}\)。
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