数学Ⅲα【134】4乗根は極形式で絶対値と偏角を比べる

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

\(z^n=\alpha\) の形の方程式は、両辺を極形式にして、 絶対値どうし・偏角どうしを比べます。偏角は \(2k\pi\) のずれまで考えるのがポイント。 4乗根は、半径 \(2\) の円の上に、正方形の形で並びます。

この回で扱う問題

方程式 \(z^4=-8-8\sqrt3\,i\) を解け。

(長崎大)

方針 ― 左辺も右辺も極形式

  • 左辺:\(z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\) とおくと、ド・モアブルの定理で \(z^4\) が書ける。
  • 右辺:\(-8-8\sqrt3\,i\) を極形式に直す。
  • 絶対値と偏角を比べる。偏角は \(+2k\pi\) をつける。

左辺を極形式で書く

\(z^4\neq0\) より \(z\neq0\) なので

\[z=r(\cos\theta+i\sin\theta)\quad(r\gt 0,\ 0\le\theta\lt 2\pi)\]

とおけます。ド・モアブルの定理より

\[z^4=r^4(\cos4\theta+i\sin4\theta)\]

右辺を極形式に直す

\(|-8-8\sqrt3\,i|=\sqrt{64+192}=16\) なので

\[-8-8\sqrt3\,i=16\left(-\frac12-\frac{\sqrt3}{2}i\right)\]

\[=16\left(\cos\frac43\pi+i\sin\frac43\pi\right)\]

絶対値と偏角を比べる

絶対値を比べて \(r^4=16\)。\(r\gt 0\) より

\(r=2\)

偏角を比べると、\(2\pi\) の整数倍のずれを許して

\[4\theta=\frac43\pi+2k\pi\quad(k\text{ は整数})\]

\[\theta=\frac{\pi}{3}+\frac{k}{2}\pi\]

\(0\le\theta\lt 2\pi\) を満たすのは \(k=0,\ 1,\ 2,\ 3\) の4つです。

実軸虚軸O1 + √3 i−√3 + i−1 − √3 i√3 − iπ/32r = 2θ = π/3 + (k/2)πk = 0, 1, 2, 3π/2 ずつ回る → 正方形
4つの解は半径2の円の上。偏角は π/3 から π/2 ずつ回り、正方形の頂点になる
\(k\)\(\theta\)\(z\)
\(0\)\(\frac{\pi}{3}\)\(1+\sqrt3\,i\)
\(1\)\(\frac56\pi\)\(-\sqrt3+i\)
\(2\)\(\frac43\pi\)\(-1-\sqrt3\,i\)
\(3\)\(\frac{11}{6}\pi\)\(\sqrt3-i\)

\(z=1+\sqrt3\,i,\ \ -\sqrt3+i,\)

\(\quad\ \ -1-\sqrt3\,i,\ \ \sqrt3-i\)

検算:\((1+\sqrt3\,i)^2=-2+2\sqrt3\,i\)、もう一度2乗して \(4-8\sqrt3\,i-12=-8-8\sqrt3\,i\)。合っています。

つまずきポイント

  1. 偏角に \(2k\pi\) をつけ忘れる。 \(4\theta=\frac43\pi\) だけだと解が1つしか出ません。4次方程式の解は4つです。
  2. \(k\) の範囲をまちがえる。 \(0\le\theta\lt 2\pi\) から決めます。\(k=4\) は \(k=0\) と同じ点に戻ります。
  3. 右辺の偏角を \(\frac{\pi}{3}\) や \(\frac{2}{3}\pi\) にする。 実部も虚部も負なので、第3象限の \(\frac43\pi\) です。

要点まとめ

  1. \(z^n=\alpha\) は、左辺も右辺も極形式にする。
  2. 絶対値を比べて \(r\)、偏角を比べて \(\theta\)。偏角は\(+2k\pi\)。
  3. \(n\) 乗根は、原点中心の円の上に正 \(n\) 角形の形で並ぶ。
板書 【134】【135】【136】
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