
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
2つの双曲線にはさまれた領域を回します。どちらの軸のまわりでも 外側の立体 − 内側の立体。\(x\) 軸のまわりなら \(\pi\int y^2dx\)、\(y\) 軸のまわりなら \(\pi\int x^2dy\) で、 2乗した式は双曲線の方程式からそのまま出てきます。
この回で扱う問題
座標平面上に双曲線 \(A:\ x^2-y^2=1\) と \(B:\ \dfrac{x^2}{2}-\dfrac{y^2}{3}=1\) をとり、 連立不等式 \(x^2-y^2\ge 1,\ \dfrac{x^2}{2}-\dfrac{y^2}{3}\le 1\) が表す領域を \(S\) とする。
(1) \(S\) を \(x\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積を求めよ。
(2) \(S\) を \(y\) 軸のまわりに1回転させてできる立体の体積を求めよ。
(東京理科大・改)
方針 ― 交点と領域を図にする
\(A\) より \(y^2=x^2-1\)。これを \(B\) に入れて
\[\frac{x^2}{2}-\frac{x^2-1}{3}=1\quad\Longrightarrow\quad x^2=4\]
交点は \((\pm2,\ \pm\sqrt3)\)。\(A\) は \(x\) 軸と \(\pm1\)、\(B\) は \(\pm\sqrt2\) で交わります。
\(S\) は \(x\) 軸についても \(y\) 軸についても対称です。
(1) x 軸のまわり
右側の部分(\(x\gt 0\))を回した立体を考え、最後に左側の分を足して2倍します。\(y^2\) を双曲線から作ると
\(A:\ y^2=x^2-1\)(\(1\le x\le 2\))
\(B:\ y^2=\dfrac32x^2-3\)(\(\sqrt2\le x\le 2\))
\(1\le x\le 2\) で \(A\) を回した立体から、\(\sqrt2\le x\le 2\) で \(B\) を回した立体を引きます。
\[V_1=2\left\{\pi\int_1^2(x^2-1)dx-\pi\int_{\sqrt2}^2\left(\frac32x^2-3\right)dx\right\}\]
\[\int_1^2(x^2-1)dx=\left[\frac{x^3}{3}-x\right]_1^2=\frac43\]
\[\int_{\sqrt2}^2\left(\frac32x^2-3\right)dx=\left[\frac{x^3}{2}-3x\right]_{\sqrt2}^2=-2+2\sqrt2\]
\[V_1=2\pi\left(\frac43+2-2\sqrt2\right)\]
\[V_1=4\pi\left(\frac53-\sqrt2\right)\]
(2) y 軸のまわり
今度は \(x^2\) を \(y\) で表します。
\(A:\ x^2=y^2+1\) \(B:\ x^2=\dfrac23y^2+2\)
\(y\) 軸のまわりに回すと、左右の部分は同じ立体に重なるので、片側だけで十分です。 \(|y|\le\sqrt3\) で外側が \(B\)、内側が \(A\)。上下対称なので \(0\le y\le\sqrt3\) を2倍します。
\[V_2=2\pi\int_0^{\sqrt3}\left\{\left(\frac23y^2+2\right)-(y^2+1)\right\}dy\]
\[=2\pi\int_0^{\sqrt3}\left(-\frac13y^2+1\right)dy=2\pi\left[-\frac{y^3}{9}+y\right]_0^{\sqrt3}\]
\[=2\pi\left(-\frac{\sqrt3}{3}+\sqrt3\right)\]
\[V_2=\frac{4\sqrt3}{3}\pi\]
つまずきポイント
- 積分の範囲をそろえてしまう。 (1) で \(A\) は \(x=1\) から、\(B\) は \(x=\sqrt2\) から。\(x\) 軸との交点が違います。
- (2) で左右を足して2倍にする。 \(y\) 軸のまわりでは左右が重なるので、片側だけ。(1) の \(x\) 軸まわりとは事情が違います。
- どちらが外側か取り違える。 図で見ると、\(y\) 軸から遠いのは \(B\)(\(x\) 軸上で \(\sqrt2\))、近いのは \(A\)(\(1\))。
要点まとめ
- まず交点と領域を図にする。
- 回転体は外側 − 内側。\(x\) 軸なら \(y^2\)、\(y\) 軸なら \(x^2\) を方程式から作る。
- 対称性を使う。ただし回す軸をまたいで重なる部分は2倍しない。
