共テ数学ⅡBC 第3回【第2問】指数方程式の解はグラフの交点で読む ― 指数関数・対数関数

この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。

解説動画(音声つき)

\(2^{-x}+a=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) のような方程式は、式だけで追うより、2つのグラフの交点として見る方が速い。 片方は右下がり、もう片方は右上がり。\(x=0\) でどちらが上にあるかで、正の解の個数が決まります。

この回で扱う問題

関数 \(y=2^{-x}+a\) のグラフを \(C_1\)、\(y=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) のグラフを \(C_2\) とする(\(a\) は実数の定数)。

(1) \(C_1\) と \(y\) 軸の共有点の \(y\) 座標を求めよ。(2) \(C_2\) の概形を選べ。

(3) 方程式 \(2^{-x}+a=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) がただ一つの解をもち、その値が正であるような \(a\) の範囲を求めよ。

(4) \(a=\dfrac{1}{2}\) のとき、この方程式の解を求めよ。

方針 ― 解は2つのグラフの交点

  • \(C_1\) は \(y=2^{-x}\)(右下がり)を \(a\) だけ上下に動かしたもの。
  • \(C_2\) は \(y=2^x-\dfrac{1}{2}\) の \(x\) 軸より下の部分を折り返したもの。
  • 方程式の解は \(C_1\) と \(C_2\) の交点の \(x\) 座標。\(x=0\) での上下を比べる。
  • (4) は \(t=2^x\) とおいて2次方程式にする。

(1) \(C_1\) の \(y\) 切片(ア)

\(x=0\) を代入すると \(2^0=1\) なので

\[y=1+a\]

(ア=③)

\(C_1\) は右下がりで、\(x\) を大きくすると \(y\) は \(a\) に近づきます。

(2) \(C_2\) の概形(イ)

\(2^x-\dfrac{1}{2}=0\) となるのは \(2^x=2^{-1}\)、つまり \(x=-1\)。ここでグラフは \(x\) 軸にふれて折れ曲がります。

  • \(x=0\) のとき \(y=\left|1-\dfrac{1}{2}\right|=\dfrac{1}{2}\)。
  • \(x\to-\infty\) のとき \(2^x\to 0\) なので \(y\to\dfrac{1}{2}\)(漸近線 \(y=\dfrac{1}{2}\))。

\((-1,\,0)\) で折れて \(\left(0,\,\dfrac{1}{2}\right)\) を通り、左では \(\dfrac{1}{2}\) に近づくグラフです。

(イ=①)

(3) ただ一つの正の解(ウ・エ・オ)

xyO−2−112y = 1/2C₂(0, 1/2)C₁(a = 1/2)(0, 1 + a)正の解
C₁(a = 1/2 の例)と C₂。x = 0 で C₁ が上にあれば、正の交点がただ一つできる

\(x\gt 0\) では、\(C_1\) は下がり続け、\(C_2\) は上がり続けて限りなく大きくなります。 したがって、\(x=0\) で \(C_1\) が \(C_2\) より上にあれば、正の交点はちょうど1つ。上になければ正の交点はありません。

\[1+a\gt \frac{1}{2}\]

\[a\gt -\frac{1}{2}\]

(ウエ=−1、オ=2)

このとき \(x\le 0\) に交点がないことも確かめます。

  • \(-1\le x\le 0\):\(C_1\) は \(1+a\ \left(\gt \dfrac{1}{2}\right)\) 以上、\(C_2\) は \(\dfrac{1}{2}\) 以下。
  • \(x\lt -1\):\(C_1\) は \(2+a\ \left(\gt \dfrac{3}{2}\right)\) より上、\(C_2\) は \(\dfrac{1}{2}\) より下。

どちらも交わらないので、解は正の1つだけです。

(4) \(a=\dfrac{1}{2}\) のときの解(カ)

\(a=\dfrac{1}{2}\gt -\dfrac{1}{2}\) なので、解は正の1つ。\(x\gt 0\) では \(2^x\gt 1\) で、絶対値はそのままはずれます。

\(t=2^x\ (t\gt 1)\) とおくと

\[\frac{1}{t}+\frac{1}{2}=t-\frac{1}{2}\]

両辺に \(t\) を掛けて整理すると

\[t^2-t-1=0\]

\(t\gt 1\) より \(t=\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\)。よって

\[x=\log_2\frac{1+\sqrt{5}}{2}\]

\[=\log_2(1+\sqrt{5})-\log_2 2\]

\[x=-1+\log_2(1+\sqrt{5})\]

(カ=⑨)

つまずきポイント

  1. \(C_2\) の折れる点。 \(2^x=\dfrac{1}{2}\) となるのは \(x=-1\)。\(x=0\) や \(x=\dfrac{1}{2}\) で折れるグラフ(⓪・②)を選ばない。
  2. \(x\le 0\) の交点を確かめない。 「ただ一つ」は、正の交点が1つで、しかも \(x\le 0\) に交点がないこと。
  3. \(t\) の範囲を使わない。 \(t=2^x\gt 0\)、とくにこの問題では \(t\gt 1\)。\(t=\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\) は負なので捨てる。\(\pm\) の入った選択肢(⑧)を選ばない。
  4. 対数の変形。 \(\log_2\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\) は ⑤⑦ のどちらでもなく、\(\log_2 2=1\) を引いた ⑨。

要点まとめ

  1. 方程式の解は2つのグラフの交点。右下がりと右上がりなら、\(x=0\) での上下で正の解の個数が決まる。
  2. \(C_2=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) は \((-1,\,0)\) で折れ、\(\left(0,\,\dfrac{1}{2}\right)\) を通り、左で \(y=\dfrac{1}{2}\) に近づく。
  3. ただ一つの正の解 \(\iff 1+a\gt \dfrac{1}{2}\iff a\gt -\dfrac{1}{2}\)。
  4. \(a=\dfrac{1}{2}\) では \(t=2^x\) で \(t^2-t-1=0\)、\(x=-1+\log_2(1+\sqrt{5})\)。
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