
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
\(2^{-x}+a=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) のような方程式は、式だけで追うより、2つのグラフの交点として見る方が速い。 片方は右下がり、もう片方は右上がり。\(x=0\) でどちらが上にあるかで、正の解の個数が決まります。
この回で扱う問題
関数 \(y=2^{-x}+a\) のグラフを \(C_1\)、\(y=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) のグラフを \(C_2\) とする(\(a\) は実数の定数)。
(1) \(C_1\) と \(y\) 軸の共有点の \(y\) 座標を求めよ。(2) \(C_2\) の概形を選べ。
(3) 方程式 \(2^{-x}+a=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) がただ一つの解をもち、その値が正であるような \(a\) の範囲を求めよ。
(4) \(a=\dfrac{1}{2}\) のとき、この方程式の解を求めよ。
方針 ― 解は2つのグラフの交点
- \(C_1\) は \(y=2^{-x}\)(右下がり)を \(a\) だけ上下に動かしたもの。
- \(C_2\) は \(y=2^x-\dfrac{1}{2}\) の \(x\) 軸より下の部分を折り返したもの。
- 方程式の解は \(C_1\) と \(C_2\) の交点の \(x\) 座標。\(x=0\) での上下を比べる。
- (4) は \(t=2^x\) とおいて2次方程式にする。
(1) \(C_1\) の \(y\) 切片(ア)
\(x=0\) を代入すると \(2^0=1\) なので
\[y=1+a\]
(ア=③)
\(C_1\) は右下がりで、\(x\) を大きくすると \(y\) は \(a\) に近づきます。
(2) \(C_2\) の概形(イ)
\(2^x-\dfrac{1}{2}=0\) となるのは \(2^x=2^{-1}\)、つまり \(x=-1\)。ここでグラフは \(x\) 軸にふれて折れ曲がります。
- \(x=0\) のとき \(y=\left|1-\dfrac{1}{2}\right|=\dfrac{1}{2}\)。
- \(x\to-\infty\) のとき \(2^x\to 0\) なので \(y\to\dfrac{1}{2}\)(漸近線 \(y=\dfrac{1}{2}\))。
\((-1,\,0)\) で折れて \(\left(0,\,\dfrac{1}{2}\right)\) を通り、左では \(\dfrac{1}{2}\) に近づくグラフです。
(イ=①)
(3) ただ一つの正の解(ウ・エ・オ)
\(x\gt 0\) では、\(C_1\) は下がり続け、\(C_2\) は上がり続けて限りなく大きくなります。 したがって、\(x=0\) で \(C_1\) が \(C_2\) より上にあれば、正の交点はちょうど1つ。上になければ正の交点はありません。
\[1+a\gt \frac{1}{2}\]
\[a\gt -\frac{1}{2}\]
(ウエ=−1、オ=2)
このとき \(x\le 0\) に交点がないことも確かめます。
- \(-1\le x\le 0\):\(C_1\) は \(1+a\ \left(\gt \dfrac{1}{2}\right)\) 以上、\(C_2\) は \(\dfrac{1}{2}\) 以下。
- \(x\lt -1\):\(C_1\) は \(2+a\ \left(\gt \dfrac{3}{2}\right)\) より上、\(C_2\) は \(\dfrac{1}{2}\) より下。
どちらも交わらないので、解は正の1つだけです。
(4) \(a=\dfrac{1}{2}\) のときの解(カ)
\(a=\dfrac{1}{2}\gt -\dfrac{1}{2}\) なので、解は正の1つ。\(x\gt 0\) では \(2^x\gt 1\) で、絶対値はそのままはずれます。
\(t=2^x\ (t\gt 1)\) とおくと
\[\frac{1}{t}+\frac{1}{2}=t-\frac{1}{2}\]
両辺に \(t\) を掛けて整理すると
\[t^2-t-1=0\]
\(t\gt 1\) より \(t=\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\)。よって
\[x=\log_2\frac{1+\sqrt{5}}{2}\]
\[=\log_2(1+\sqrt{5})-\log_2 2\]
\[x=-1+\log_2(1+\sqrt{5})\]
(カ=⑨)
つまずきポイント
- \(C_2\) の折れる点。 \(2^x=\dfrac{1}{2}\) となるのは \(x=-1\)。\(x=0\) や \(x=\dfrac{1}{2}\) で折れるグラフ(⓪・②)を選ばない。
- \(x\le 0\) の交点を確かめない。 「ただ一つ」は、正の交点が1つで、しかも \(x\le 0\) に交点がないこと。
- \(t\) の範囲を使わない。 \(t=2^x\gt 0\)、とくにこの問題では \(t\gt 1\)。\(t=\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\) は負なので捨てる。\(\pm\) の入った選択肢(⑧)を選ばない。
- 対数の変形。 \(\log_2\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\) は ⑤⑦ のどちらでもなく、\(\log_2 2=1\) を引いた ⑨。
要点まとめ
- 方程式の解は2つのグラフの交点。右下がりと右上がりなら、\(x=0\) での上下で正の解の個数が決まる。
- \(C_2=\left|2^x-\dfrac{1}{2}\right|\) は \((-1,\,0)\) で折れ、\(\left(0,\,\dfrac{1}{2}\right)\) を通り、左で \(y=\dfrac{1}{2}\) に近づく。
- ただ一つの正の解 \(\iff 1+a\gt \dfrac{1}{2}\iff a\gt -\dfrac{1}{2}\)。
- \(a=\dfrac{1}{2}\) では \(t=2^x\) で \(t^2-t-1=0\)、\(x=-1+\log_2(1+\sqrt{5})\)。