
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
\(\log_2 3\) の値は、電卓なしでは出せません。でも2のべきではさむと、整数部分も小数第1位も決められます。 \(3^k\) が \(2^n\) と \(2^{n+1}\) のあいだにあれば、\(k\log_2 3\) の整数部分は \(n\)。 この回は、そのはさみ方を2段階で使います。
この回で扱う問題
(1) \(k\) を自然数とする。\(n\le k\log_2 3\lt n+1\) を満たす整数 \(n\) を \(k\log_2 3\) の整数部分という。
\(k=4\) のとき、\(4\log_2 3\) の整数部分を求めよ。また \(N=k\log_2 3\) とおく。\(N\) の整数部分が2桁の自然数になる最小の \(k\) と、そのときの \(N\) の整数部分を求めよ。
(2) \(\log_2 3\) の小数第1位の数字を求めよ。
方針 ― 2のべきではさむ
- \(k\log_2 3=\log_2 3^k\)。真数の \(3^k\) を2のべきではさむ。
- \(2^n\lt 3^k\lt 2^{n+1}\) なら、底2の対数をとって \(n\lt k\log_2 3\lt n+1\)。底 \(2\gt 1\) なので不等号の向きは変わらない。
- (2) は \(\log_2 3\) 自体をはさむ。1回では幅が広いので、2回はさんで重ねる。
(1) \(4\log_2 3\) の整数部分(アイ・ウ・エ)
\[4\log_2 3=\log_2 3^4=\log_2 81\qquad(\text{アイ}=81)\]
2のべきを並べると \(2^6=64,\ 2^7=128\)。\(81\) はそのあいだなので
\[2^6\lt 81\lt 2^7\qquad(\text{ウ}=6)\]
底 \(2\) の対数をとって \(6\lt 4\log_2 3\lt 7\)。整数部分は 6(エ=6)です。
(1) 整数部分が2桁になる最小の k(オ・カキ)
\(N=k\log_2 3\) の整数部分が2桁とは、\(10\le N\lt 100\) のこと。\(N=\log_2 3^k\) なので
\[10\le\log_2 3^k\lt 100\ \Longleftrightarrow\ 2^{10}\le 3^k\lt 2^{100}\]
\(2^{10}=1024\)。\(3^k\) を小さい \(k\) から順に調べます。
- \(k=6\):\(3^6=729\lt 1024\)。まだ足りない(\(N\) は1桁)。
- \(k=7\):\(3^7=2187\ge 1024\)。届いた。
\(3^7=2187\) は \(2^{100}\) よりずっと小さいので、上の条件も満たします。最小の \(k\) は 7(オ=7)。
このとき \(N=7\log_2 3=\log_2 2187\)。\(2^{11}=2048,\ 2^{12}=4096\) より \(2^{11}\lt 2187\lt 2^{12}\) なので
\[11\lt 7\log_2 3\lt 12\ \Longrightarrow\ N\text{ の整数部分は }11\qquad(\text{カキ}=11)\]
(2) \(\log_2 3\) の小数第1位
\(1\lt \log_2 3\lt 2\) なので、小数第1位の数字を \(p\) とすると
\[1+\frac{p}{10}\le\log_2 3\lt 1+\frac{p+1}{10}\]
となる \(p\) を求めればよい。\(\log_2 3\) 自体を、小数の目盛りでつかまえます。
1回目:\(3^2\) をはさむ(ク・コサ)
\(2^3=8\lt 3^2=9\lt 2^4=16\)(ク=3)。対数をとって \(3\lt 2\log_2 3\lt 4\)。\(2\) で割ると
\[\frac{3}{2}\lt \log_2 3\lt 2\]
2回目:\(3^5\) をはさむ(ケ・シス)
\(2^7=128\lt 3^5=243\lt 2^8=256\)(ケ=7)。対数をとって \(7\lt 5\log_2 3\lt 8\)。\(5\) で割ると
\[\frac{7}{5}\lt \log_2 3\lt \frac{8}{5}\]
1回目だけでは \(1.5\) から \(2\) までと広すぎ、2回目だけでは \(1.4\) から \(1.6\) で、\(p=4\) か \(5\) か決まりません。2つを重ねると
\[\frac{3}{2}\lt \log_2 3\lt \frac{8}{5}\qquad(\text{コ}=3,\ \text{サ}=2,\ \text{シ}=8,\ \text{ス}=5)\]
すなわち \(1.5\lt \log_2 3\lt 1.6\)。\(1+\dfrac{p}{10}\le\log_2 3\lt 1+\dfrac{p+1}{10}\) にあてはめると \(p=5\)(セ=5)です。
つまずきポイント
- \(k\log_2 3\) を真数に入れ忘れる。 \(k\log_2 3=\log_2 3^k\)。\(3^k\) と \(2\) のべきを比べる形にそろえます。
- 「2桁」の意味。 整数部分が2桁は \(10\le N\lt 100\)。\(N\) が \(10\) 以上になる最小の \(k\) を探すので、\(3^k\) が \(2^{10}=1024\) を超える所を見ます。
- 小さい \(k\) から順に調べない。 \(3^6=729\) は \(1024\) に届かず、\(3^7=2187\) で届く。順に見れば最小の \(k\) が確実に決まります。
- 2で割る・5で割るのを忘れる。 \(3\lt 2\log_2 3\lt 4\) は \(\log_2 3\) の範囲ではありません。割って \(\dfrac32\lt \log_2 3\lt 2\)。
- 1回のはさみうちで決めようとする。 幅が広いときは、別の \(3\) のべき(\(3^5\) など)でもう1回はさんで重ねる。
要点まとめ
- \(k\log_2 3=\log_2 3^k\)。\(2^n\lt 3^k\lt 2^{n+1}\) なら、整数部分は \(n\)。
- 桁数は \(10\le N\lt 100\) などの不等式で言いかえる。最小の \(k\) は小さい順に調べる。
- 小数第1位は \(1+\dfrac{p}{10}\le\log_2 3\lt 1+\dfrac{p+1}{10}\) を目指す。
- \(3^2\) と \(3^5\) で2回はさんで重ねると \(1.5\lt \log_2 3\lt 1.6\)。\(p=5\)。