
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
曲線の長さは、短い一歩 \(ds\) を足し合わせたもの。 一歩は \(dx\) と \(dy\) を2辺とする直角三角形の斜辺なので、 長さの公式は「単なる三平方の定理」です。
この回で扱う問題
媒介変数表示された曲線 \(C:\ x=e^{-t}\cos t,\) \(y=e^{-t}\sin t\) \(\left(0\le t\le\dfrac{\pi}{2}\right)\) の長さ \(L\) を求めよ。
(京都大・改)
長さの公式 ― 2つの形
\(ds=\sqrt{(dx)^2+(dy)^2}\)。これを何で割るかで、公式は2つの形になります。
媒介変数 \(t\) のとき:\(\displaystyle L=\int_\alpha^\beta\sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2}\,dt\)
\(y=f(x)\) のとき:\(\displaystyle L=\int_a^b\sqrt{1+\left(\frac{dy}{dx}\right)^2}\,dx\)
今回は媒介変数なので、上の形を使います。
dx/dt と dy/dt を求める
積の微分で
\[\frac{dx}{dt}=-e^{-t}\cos t-e^{-t}\sin t=-e^{-t}(\cos t+\sin t)\]
\[\frac{dy}{dt}=-e^{-t}\sin t+e^{-t}\cos t=e^{-t}(\cos t-\sin t)\]
2乗して足す
\[\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2\]
\[=e^{-2t}\left\{(\cos t+\sin t)^2+(\cos t-\sin t)^2\right\}\]
かっこの中は \(2\sin t\cos t\) が打ち消し合い、\(\cos^2t+\sin^2t=1\) が2つ残ります。
\[=e^{-2t}\cdot 2=2e^{-2t}\]
ルートがきれいにはずれます:\(\sqrt{2e^{-2t}}=\sqrt2\,e^{-t}\)。
積分する
\[L=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sqrt2\,e^{-t}dt=\sqrt2\Big[-e^{-t}\Big]_0^{\frac{\pi}{2}}\]
\[L=\sqrt2\left(1-e^{-\frac{\pi}{2}}\right)\]
検算:\(t=0\) の点 \((1,0)\) と \(t=\frac{\pi}{2}\) の点 \((0,\ e^{-\frac{\pi}{2}})\) を結ぶ線分の長さは約 \(1.02\)。 \(L\fallingdotseq 1.12\) はそれより少し長く、つじつまが合います。
つまずきポイント
- \(e^{-t}\) の微分の符号。 \((e^{-t})'=-e^{-t}\)。積の微分の1項目にマイナスが付きます。
- 2乗の展開を別々にやって迷う。 \((a+b)^2+(a-b)^2=2(a^2+b^2)\) と見れば一瞬です。
- 公式を覚えていない。 三平方の定理から作れます。\(dt\) で割って根号の中に入れるだけです。
要点まとめ
- 曲線の長さは \(ds=\sqrt{dx^2+dy^2}\) の足し合わせ(三平方の定理)。
- 媒介変数なら \(\sqrt{(x')^2+(y')^2}\)、\(y=f(x)\) なら \(\sqrt{1+(y')^2}\)。
- \(e^{-t}\) と三角関数の組は、2乗して足すと根号がはずれるように作られている。
