
この問題の考え方を短い動画にまとめました。動画は問題の提示から始まります。 流れをつかんでから、下の解説を読んでください。
\(a^{b}=b^{a}\) という式を見たら、やることは1つしかありません。 対数をとって \(\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}\) に直すこと。 そうすると、この問題は「\(y=\dfrac{\log x}{x}\) のグラフを水平線で切ったときの、2つの交点」の話に変わります。 グラフさえかければ、\(1読むだけです。
この回で扱う問題
正の実数 \(x\) に対して \(f(x)=\dfrac{\log x}{x}\) とする。 ただし \(\displaystyle\lim_{x\to\infty}\frac{\log x}{x}=0\) であること、 また \(e\) は自然対数の底で \(e<3\) であることを用いてよい。
\(a,\ b\) を正の実数とし、\(a
方針 ― 「指数の等式」は対数で「関数の等式」に変える
\(a^{b}=b^{a}\) のままでは手が出ません。両辺は正なので、自然対数をとります。
\[\log a^{b}=\log b^{a}\qquad\Longrightarrow\qquad b\log a=a\log b\]
ここで \(a>0,\ b>0\) なので \(ab\) で割ると、左右がきれいに分かれます。
\[\frac{\log a}{a}=\frac{\log b}{b}\qquad\text{すなわち}\qquad f(a)=f(b)\]
つまり「\(y=f(x)\) のグラフ上で、高さが等しい2点」を探す問題になりました。 \(a\neq b\) なのだから、水平線 \(y=k\) がグラフと2回交わっている、ということです。
(1) の増減表をそのまま使う
\(f(x)=\dfrac{\log x}{x}\) を微分すると
\[f'(x)=\frac{\frac{1}{x}\cdot x-\log x}{x^{2}}=\frac{1-\log x}{x^{2}}\]
\(f'(x)=0\) となるのは \(\log x=1\)、つまり \(x=e\)。
| \(x\) | \((0)\) | \(\cdots\) | \(e\) | \(\cdots\) |
|---|---|---|---|---|
| \(f'(x)\) | \(+\) | \(0\) | \(-\) | |
| \(f(x)\) | ↗ | 極大 \(\dfrac{1}{e}\) | ↘ |
端の様子も押さえます。
\[\lim_{x\to +0}\frac{\log x}{x}=-\infty,\qquad
\lim_{x\to\infty}\frac{\log x}{x}=0,\qquad f(1)=0\]
グラフから \(1
\(f(a)=f(b)=k\) とおきます。\(a\neq b\) なので、直線 \(y=k\) は曲線と異なる2点で交わります。
- \(k\le 0\) のとき … \(x\le 1\) の部分でしか交わらず、その範囲で \(f\) は単調増加。交点は1つだけ。
- \(k=\dfrac{1}{e}\) のとき … 頂点でぴったり接するので交点は1つだけ。
- \(k>\dfrac{1}{e}\) のとき … 最大値を超えるので交点なし。
したがって、交点が2つになるのは \(0
このとき、増加している部分(\(1e\))に1つ、
交点がちょうど1つずつ現れます。\(a
設問 使うところ
(2) 自然数 \(a \(1
(13) \(\sqrt{5}^{\sqrt{7}}\) と \(\sqrt{7}^{\sqrt{5}}\) \(\sqrt{5}<\sqrt{7}<2.7
(14) \(f(x)=k\) が2解 いまの議論そのもの。\(0
(15) \(x^{a}=a^{x}\) が \(a\) より大きい解をもつ \(x=a\) が必ず解。もう1つあるのは \(1
つまずきポイント
- \(a^{b}=b^{a}\) を指数のまま変形しようとする。
両辺が正であることを言ってから対数をとる。これが唯一の入口です。
- \(\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}\) まで来て止まる。
この形は「同じ関数の値が等しい」と読む。関数を \(f\) と名前をつけた瞬間にグラフの問題になります。
- \(k\) の範囲を書かずにグラフだけで済ませる。
交点が2つになる条件 \(0
- \(x\to +0\) と \(x\to\infty\) の様子を書き忘れる。
端が \(-\infty\) と \(0\) だからこそ「増加側に1つ、減少側に1つ」と言い切れます。
要点まとめ
- \(a^{b}=b^{a}\) は、対数をとって \(\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}\) に直す。
- \(f(x)=\dfrac{\log x}{x}\) は \(x=e\) で最大値 \(\dfrac{1}{e}\)。端は \(-\infty\) と \(0\)。
- 水平線と2回交わる条件は \(0<\!k<\dfrac{1}{e}\)。交点は \(e\) をはさんで両側に1つずつ。
- \(a>1\) の根拠は \(f(1)=0\) と \(k>0\)。図に頼らず式で書く。

板書 【1】(12) 対数をとって、logx/x のグラフで読む
- \(k\le 0\) のとき … \(x\le 1\) の部分でしか交わらず、その範囲で \(f\) は単調増加。交点は1つだけ。
- \(k=\dfrac{1}{e}\) のとき … 頂点でぴったり接するので交点は1つだけ。
- \(k>\dfrac{1}{e}\) のとき … 最大値を超えるので交点なし。
したがって、交点が2つになるのは \(0
| 設問 | 使うところ |
|---|---|
| (2) 自然数 \(a | \(1 |
| (13) \(\sqrt{5}^{\sqrt{7}}\) と \(\sqrt{7}^{\sqrt{5}}\) | \(\sqrt{5}<\sqrt{7}<2.7 |
| (14) \(f(x)=k\) が2解 | いまの議論そのもの。\(0 |
| (15) \(x^{a}=a^{x}\) が \(a\) より大きい解をもつ | \(x=a\) が必ず解。もう1つあるのは \(1 |
つまずきポイント
- \(a^{b}=b^{a}\) を指数のまま変形しようとする。 両辺が正であることを言ってから対数をとる。これが唯一の入口です。
- \(\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}\) まで来て止まる。 この形は「同じ関数の値が等しい」と読む。関数を \(f\) と名前をつけた瞬間にグラフの問題になります。
- \(k\) の範囲を書かずにグラフだけで済ませる。
交点が2つになる条件 \(0
- \(x\to +0\) と \(x\to\infty\) の様子を書き忘れる。 端が \(-\infty\) と \(0\) だからこそ「増加側に1つ、減少側に1つ」と言い切れます。
要点まとめ
- \(a^{b}=b^{a}\) は、対数をとって \(\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}\) に直す。
- \(f(x)=\dfrac{\log x}{x}\) は \(x=e\) で最大値 \(\dfrac{1}{e}\)。端は \(-\infty\) と \(0\)。
- 水平線と2回交わる条件は \(0<\!k<\dfrac{1}{e}\)。交点は \(e\) をはさんで両側に1つずつ。
- \(a>1\) の根拠は \(f(1)=0\) と \(k>0\)。図に頼らず式で書く。
